「わたしの職場に自分が成功したら全部自分の力によるものだって豪語する一方で、自分が失敗したら他人のせいでそうなったから自分は悪くないって言い張る人がいるよ。まあ、嫌んなっちゃうよねえ。しかも自分はむっちゃ優秀だって思っていて他人の助言なんて何も聞かないからね。」
んー、それはまいった。
オニギリス!
脱マンネリストのおにぎりです。
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「自己奉仕バイアスと自己確証動機が強いと頑固な他責人間になるかもね」という話です。
今回は以下のような方に向けておおくりします。
- ・すぐに他責にする人の思考の原因について知りたい人
- ・頑固な人の心理を少し分析してみたい人
どこの職場にも自分の成功は自分のおかげだけど、自分の失敗は他人のせいって人は一定数いるものです。
これが上司だったらたまったものではないですよね。
下手をすると、自分のあげた成果ですら「俺のものだ」等と言って奪いかねないのではないかって、勘繰りたくなってしまうというもの。
こういった人たちは自己奉仕バイアスや自己確証動機が強いんじゃないかなあって思ったりしてしまいます。
ただ、自分自身についてもそうです。
気が付かないうちにすぐ他責にする嫌な奴になっているかもしれません、、、、。
なるべく、そういった事にならないようにしたいものです。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
1、自己奉仕バイアスが強い人は他責人間になるかもしれない
自己奉仕バイアスとは、
「成功を当人の内面的または個人的要因に帰属させ、失敗を制御不能な状況的要因に帰属させること」
引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%A5%89%E4%BB%95%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
です。
言い回しが結構面倒ですが、要するに
「自分が成功したのは自分の力によるものだけど、失敗したのは自分ではどうにもできない自分を取り巻く環境等のせいだからしょうがない」
みたいな考え方ってことですね。
んー、ビジネスの世界では典型的な仕事のできない人の考えですよねえ、、、。
いわゆる「他責思考」ってやつですな。
確かに現実を見てみると、客観的に見て状況的にどうしようもなくて失敗したなんて事はあります。
なので、「何があっても他責にしてはいけない」なんて事はないわけです。
しかし、「失敗したのは周りのせいで自分は悪くない」という考え方が常態化していると、失敗してもその失敗から反省し改めていこうとはしないでしょう。
これではいつになっても成長しません。
長期的に見ると、自己奉仕バイアスが強いと自分のためにならないのはもちろんの事、自分が属する組織の為にもなりませんし、さらに言えば人間関係すら損なっていくでしょう。
自己奉仕バイアスが生じる原因としては、以下のようなものが考えられているようです。
・自尊心を保つため
・他人に好意的印象を与えるため
・成功の原因に関する記憶は外的なものよりも内的なものに偏っている
以下それぞれの理由について少しだけ補足してみます。
・自尊心を保つため
失敗したときにそれを咎められれば、まあ誰でもいい気分にはなりません。
原因はいろいろでしょうが、まず「自分に自信がなくなる」可能性はあるでしょう。
なので、自己防衛反応として「自分が失敗したのは自分の力不足のせいではない。不可抗力だ」みたいに思って自分の自尊心の低下を防ごうとしているわけです。
なお、このように自尊心を維持、高揚させようという動機は自己個高揚動機と言われます。
・他人に好意的印象を与えるため
他人からの見られ方をコントロールするために、自分の他責的発言が信用されないだろうという事を感じながらも、あえて好意的な印象を与えようと「自分のせいではない」と主張するとする説があります。
もちろん場合によるものの常識的に考えて、「わたしの失敗はわたしのせいで起こったもんじゃないんだ」と言ってそれがすんなり信用されるとは思えません。
それが分かっていても、信用してくれる人が出てくる可能性も0とは限らないわけです。
それだったらそのわずかな可能性にかけてみようって感じかもしれませんね。
・成功の原因に関する記憶は外的なものよりも内的なものに偏っている
自己奉仕バイアスの原因を記憶の機構から説明しようとするものもあります。
自分が成功した原因に自分自身の頑張りは当然あったでしょうが、周りの助けや環境がたまたま味方したなんて事もままあるもの。
しかし記憶の機構の特性上、自分の成功した原因として外的要因よりも内的要因をよく覚えているなんて事が起こるという事なのですね。
これは以前取り上げた自分の意見を支持する情報ばかりを集めようとしてしまうという確証バイアスと関係がありそうですな。
なおやや余談ですが、自己奉仕バイアスが集団単位で発生する場合、それは「集団奉仕バイアス」と言われますね。
自己確証動機が強い人は裸の王様になりやすい
次に、自己確証動機というものについて見ていきましょう。
自己確証動機とは、「自己概念を他者との関係性において実現させようとする動機」のことです。
、、、と言っても、中々分かりにくいですな。
具体的に言うなら、「自分=人間」と思っている人はその自分のイメージを支持するような意見を周囲に求め、反対に「自分=有能」と思っている人はそのイメージを支持する意見を周りに求めるという事になります。
もう言ってしまえば、これは「自分の考えるセルフイメージを支持する人や意見だけを周りに集めよう」といった状態です。
上述した自己奉仕バイアスとこの自己確証バイアスのダブルコンボになると、
「自身の周りに自分に対して都合のいい意見しか言わない腰ぎんちゃくばかり引き連れて自分の失敗は絶対に認めない裸の王様」が出来上がりそうですね。
こんな風な上司や先輩ってあなたの周りにもいるかもしれません。
かなり、厄介な存在だと思います。
だって、どんなに正論をいっても「自分のせいじゃない」の一点張りでしょうし、なんなら「お前のせいで失敗したんだ!」なんて言いがかりめいたことを言ってきたりすることもあるかもしれませんから。
自己確証動機と自己奉仕バイアスのどちらも人ならば持っているものですが、それが行き過ぎてしまうと惨禍が起きるという事ですよね。
3,他責人間にはどう向き合うか?
さて、では他責癖のある人へはどう対応していけばいいのでしょうか?
おそらく基本的には相手の意見をシッカリとまずは聞いてあげて事情を整理して、本人が自己奉仕バイアスに陥っていることに気付いてもらうという事でしょう。
その際に、自己確証動機も結構あるのであれば、「相手のメンツをつぶさないように対応する」という事も必要かもしれませんね。
つまりは、「あくまで冷静に中立的な立場で相手を尊重する態度をとって明確に必要なことを伝える」ようにしたらいいという事です。
まあ、いずれにせよ中々難しい問題といえます。
ただ、あまりに自己奉仕バイアスと自己確証動機が強いなんて話になると、正直関わりを持たないのが最善かもしれません。
とはいえ、こんなのが上司や同僚だったらたまらないわけですが、、、。
そんな場合には以下の記事を参考にしてみてくださいな。
4,常に自分を客観視し、健全な批判的精神をもちたい
自己奉仕バイアスと自己確証動機は人間なら誰しも持っているものです。
「完全になくす」なんて事は土台不可能なんですよね。
問題は「それが行き過ぎないように制御する」という事です。
制御するためには、自分を常に客観視する必要がありますね。
自分の客観視のために瞑想をしてみたり、バイアスへの対策をしたりと言った事をしておくといいと思います。
特にバイアスへの対策については怠らないようにしてくださいな。
人間は、気を抜くとすぐにバイアスから影響を受けてしまうものですからねえ。
参考記事等
そしてこれは個人的な提案ですが、常に自分の意見に対してそれに対して批判的検討を加える癖を持つのが望ましいと思います。
例えば、
「メンタルが弱いやつはこの職場にはいらない。ストレスに弱いやつなんて足手まといだから排除したい」
みたいな考えを持ったら、
「職場にメンタルが強い人間しかいなくなったとしたら何が起こるか?メンタルが強いという事は感受性が低く鈍感であるという事にもつながりはしないか?感受性の高い人間を排除することで、多様性のない組織になり組織の弱体化を招きはしないだろうか?」
なんて感じですかね。
自分の意見を持つ事は非常に素晴らしいことですが、その意見に対して色々と自分で批判を行ってみるのも大事だと思います。
実際にそういった批判精神をもって自分の意見に反論してみると、「あー、これは妥当じゃない」とか「ちょっと極論だったな」みたいに気がつけたりするものです。
思考をフラットにするのには、非常に有益だと思います。
おわりに
この記事は「自己奉仕バイアスと自己確証動機が強いと頑固な他責人間になるかもね」と題しておおくりします。
自己奉仕バイアスと自己確証バイアスのダブルコンボになると、裸の王様になってしまう可能性がありますね。
正直、こういった人が職場の上司や同僚、先輩などであった場合にはかなり迷惑です。
こういった人たちには基本的に、「あくまで冷静に中立的な立場で相手を尊重する態度をとって明確に必要なことを伝える」といった姿勢で臨むのが正しいと思われます。
また、このような状態は決して他人事などではなく、「誰しもなる可能性がある」という事を忘れてはいけないでしょう。
常に自分を客観視しバイアス対策することを忘れないようにしたいものです。
では!
参考
https://lab.kuas.ac.jp/~jinbungakkai/pdf/2011/p2011_01.pdf
参考記事等