「わたしは人が怖いんだ、、、。いつも人の目線がきになってしかたないし、人前でプレゼンしようものなら汗はすごいし動悸がして、身体がふるえちゃう。そう、目の前に大勢の人がいて、わたしの話を聞いているなんて、、、、想像しただけで怖すぎて気を失いそう、、、なんとかならないのかなあ、、、」
んー、そうだね、それは辛いね-。
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「対人恐怖症」です。
人に対する恐怖って、多かれ少なかれ誰でもあるものなんですよね。
でも、それが重症化してしまった場合には、日常生活に支障をきたしてしまうんですよ。
さすがに、日常生活に支障がでるほどの状況になってしまうと治療が必要となってきます。
今回、当記事では
「人が怖くて日常に支障がでているかも?」
という人が、その症状をすこしでも緩和できるためのヒントを提供できればな、と思っています。
なお、サプリメント等の紹介は一切したしません。
自分だけでは限界だというのなら、ちゃんと医療機関へ行ってくださいね。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
1、そもそも対人恐怖症って?
対人恐怖症は、単に人が怖い状態のことを言うわけではありません。
では、どういう状態なのでしょうか?
具体的には、自分が他人にどう思われているかという不安のせいで、「日常生活に支障が出ている場合」です。
日常生活に支障が出るのは、他者との交流や人前での行為等の不安が生じそうな状況を避けようとするためです。
社会には人前にたってやらねばならないことが沢山あります。
プレゼン、交渉、対面でのあいさつ、、、あげていたらきりがないですね-。
それなのに人前にたつ事を回避するせざるをえないくらいに恐怖を感じているとしたら、、、それはもう支障がでるのは想像に難くないでしょう。
2、「病的不安」と「普通の不安」は違う
実は冒頭もいったとおり、普通の人も「対人での不安」というものは持っています。
わたしもプロフィールに書いてあるとり、超が付く外向型ではあれど、全く不安がないかといったらそんな事はありません。
不安は、わずかながらですがあります。
そう、結局のところ普通の人は「不安に対する処理が上手い」、または「そもそも対処できる程度の不安を感じている」という事です。
しかし、過剰な不安を感じるようになると、日常生活に支障が出はじめます。
その状態になってはじめて、その人の感じている不安は「普通の人が感じている不安でとは違う病的な不安」であるとの判断をします。
3、対人不安症は疾患名ではない
実は、対人不安症というのは正式な医療上の疾患名ではありません。
近年、対人恐怖症は、社会不安症の中に含まれる概念であると考えられています。
そのため、対人不安や恐怖を感じる人が病院を受診した場合、おりる診断名は「社会不安症」であることが通常であると言います。
ところが!
厳密に言うと「対人恐怖症」と「社会不安症」は別物です。
アメリカ精神医学会発行の『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版(DSM-5)には、対人恐怖症について以下のような定義がなされています。
社会的交流において、自己の外見や動作が他者に対して不適切または不快であるという思考、感情、または確信によって、対人状況についての不安および回避が特徴である文化症候群である
引用:日本精神神経学会(監修) 「『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)」
引用元
はい、そして今日でいわれる「対人恐怖症」と「社会不安症」、それぞれにおける不安の違いについても確認しておきます。
それが以下です。
- 対人恐怖症は、自分が他人を不快にさせていないかについての不安
- 社会不安症は、他者に注目される場面において、恥ずかしい思いをするのではないかという不安
そうです、何に対する不安かという点から見ると一目瞭然ですね。
4、対人恐怖症の症状とはどんなものか?
対人恐怖症にでは、精神と身体の2つの面に症状が出ます。
以下詳しく見ていきます。
精神面での症状
以下の場面で強い恐怖や不安を感じます。
- 他者との交流
- 他者の目の前で何かをする
加えて、自分が恐怖や不安を感じている事を他者に気付かれるのを恐れます。
・身体面での症状
対人恐怖症の人が不安や恐怖を感じた場合以下のような症状が出ます。
- 手足や声の震え、動悸
- 発汗や赤面
- 腹部の不快感
- 息苦しさ
このような症状が出るのは、交感神経優位であるために起こる症状です。
なお、交感神経とは簡単に言うと2つある自律神経のうちの一つ(もう片方は副交感神経)です。
普段、この2つの自律神経がバランスよく働いて、身体を一定の状態にしています(ホメオスタシスっていうね)。
ところが、外から強いストレスがかかってきたりすると、交感神経の働きの方が強くなります(優位)。
なんで交感神経優位になるかというと、外界からの「ストレスから身を守る」ためです。
、、、単純に言うと交感神経は、わたし達の身体を「戦闘状態」にしているのです。
交感神経優位になると、例えば以下のようなことが起こります。
- 心拍数上昇
- 血管が細く硬くなり、血圧が上昇
上記のように血圧が上書することで、傷ついた際の出血を抑えようとしているんですねえ。
交感神経は危機的な状況で優位になります。
こんな交換神経優位における反応を「闘争か逃走反応」と言ったりします。
実は、この交感神経を優位になるのは、扁桃体という脳の一部の働きのせいです。
扁桃体は不安や恐怖を感じる中枢です。
扁桃体が恐怖を感じると、身体を防衛するために交感神経を優位にします。
、、とまあ、これ自体は誰の体でも起こっている事です。
対人恐怖症を含む不安症、心的外傷ストレス性傷害(PTSD)の人の場合は、扁桃体が不安や恐怖に敏感になり過ぎています。
そのために、上記のような身体的症状が起こったり、強い不安や恐怖を感じたりするって話です。
そう、犯人は「不安や恐怖に対する敏感さ」だったのです。
また、対人恐怖症者は身体症状が出る事に悩んでいたりします。
そのため、以下のような負のスパイラルに陥ることがあります。
過去に身体症状が出たのと似た状況になる
↓
「あ、また症状がでるかも、、」などと恐怖を感じる
↓
恐怖が引き金になって身体症状がでる
はい、、、まさしく「恐怖に対する恐怖が原因となっている」状態です。
ちなみに、パニック障害の発作と対人恐怖の症状は、身体症状の点で似ていますが、起こり方という点で以下のような違いがあります。
- パニック障害の発作は特に原因なく突如として起こる
- 対人恐怖症の発作は、他者からの評価、視線を恐れて起こる
混同しないようにしたいものです。
5、対人恐怖症の原因はなんなのか?
さて、あの名探偵コナンよろしく、
「真実はたった一つ!犯人は不安や恐怖に対する敏感さだ!」
、、、といったところで、何も解決しませんね(笑)。
それに、たったひとつという思考自体が科学では危険ですね。
敏感なのはわかりましたが、一体なぜ対人恐怖症者は「不安や恐怖に敏感になってしまった」のでしょうか?
その原因は、、、、、、明確にはわかっていません。
現代では、遺伝の関係性は明らかとしたうえで生育環境等の環境要因の影響の方が大きいと言われています。
そして、過去の失敗経験から発症することもあるとか、、、。
まあ、早い話がトラウマみたいなものですね。
現代の心理学では性格は半分が遺伝で決まり、もう半分は友人等家庭外の人間関係によって決まるなどといわれています。
性格形成に寄与する遺伝子の働きは、無視できないと言えるでしょう。
6、対人恐怖症は改善できる
対人恐怖症がほっといてなおる確率は低いです。
理由として予期不安の形成が挙げられます。
予期不安とは、簡単に言うと過去の失敗や緊張の経験等の記憶のせいで、「次もきっと失敗する」と思う不安です。
この予期不安が生じると、不安や恐怖を感じそうな状況を回避するようになります。
そして、回避が習慣化することで、さらにその状況に対する恐怖が強化されます。
ええ、もうお分かりの通り悪化の一途をたどる可能性が高いです。
そして、対人恐怖症は「確実に治る」とはいえないものの改善が可能です。
ですから、症状を放置するのではなく適切に治療した方がいいのです。
そして、そもそも対人恐怖症の原因は扁桃体の働きが活発であることでした。
もしそうなら、「扁桃体の働きを弱めればよくね?」て考える人もいるはず。
しかし、残念ながら扁桃体の働きを弱める方法は今のところありません。
まあ、、将来的には可能かもしれませんがね。
実は、今、恐怖を全く感じない人の存在が確認されています。
研究者達のなかには、そのような「恐怖を感じない人」を研究することで、PTSDの画期的な治療法が確立できるかもしれないと考えている人達もいます。
参考
https://www.afpbb.com/articles/-/2780163
7、対人恐怖症を改善するためにできる事
ここからは、病院に行かずとも自分の努力でできる対人恐怖に対する改善方法を考えてみたいと思います。
自分でできる改善方法としては以下があるかと思います。
- 自尊心や自己効力感を高める
- 適度に運動する
- セロトニンを分泌させる
- よく寝る
- メンタルを強化する
- レジリエンスを高める
- コンフォートゾーンを広げる
- マインドフルネス瞑想をする
- 自分に優しくなる
- 効果的な自己開示の仕方を身につける
- リフレーミングを使う
以下順次簡単に解説していきます。
・自尊心や自己効力感を高める
人目を気にしたり、他人からの評価を恐れたりするのは「自分自身に自信がないから」であると言えます。
自分に自信を持つためには「自分のあるがままを受け入れる自尊心」と「自分はやればできるという気持である自己効力感」が必要になります。
自分自自に自信を持つことができないと、周りの意見に流されやすくなってしまいます。
自尊心や自己効力感等の高め方についてはいかからどうぞ。
・適度に運動する
社会不安症を含む不安障害を改善するのに、適度な運動を習慣的に行うのが効果であると研究により明らかになっています。
以下のような有酸素運動がよいとのことです。
- 速足でのウォーキング
- 水泳
・セロトニンを分泌させる
対人恐怖症の人は、精神の安定に寄与するホルモンであるセロトニンの分泌が少ないです。
そこでセロトニンの分泌を促していく必要があります。
セロトニンの分泌を促進するためには、朝目を覚まして、夜に寝るという人間の本来の生体リズムを維持して規則正しい生活を送るのがいいです。
あとは、食事のときに「よくかむこと」を意識しておこなうこともセロトニン分泌には役立ちます。
なんでも、一定のリズムで同じ動きを反復する運動のことをリズム運動というのですが、このリズム運動がセロトニン神経を活性化することが分かっているんですね。
噛むことなら手軽にできますね。
参考
・よく寝る
よく寝ることで交感神経を優位にしてしまうホルモン(アドレナリンやノルアドレナリン)の分泌が低下します。
睡眠不足の状態では、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌量は低下していないため、身体が緊張状態になっています。
これでは、不安を感じる場面では身体症状が現れやすくなってしまいます。
ということで、よく寝ましょう。
・メンタルを強化する
性格を変えるなら行動から変えた方が早いです。
具体的には、以下のようなことをやってみましょう・
- 他の人に感謝をし、可能なら感謝を伝える。
- ネガティブ思考が湧き上がってきたら、その思考を受け入れた上で、それに対処するための具体的な対策を3つ考える。
- 朝、目が覚めたら「今日は楽しい行動を選択するよう心がけよう」と自分に言い聞かせる。
- つらいことが会ったら何度か深呼吸する。
毎日、継続していれば少しずつメンタルが強くなってくるはずです。
人間関係からくるストレスはすさまじいものがありありますね。
なんせ、場合によっては失声なんて言って声が出なくなることもあります。
この場合はカウンセリング等で気持ちを軽くするのが効果的といわれています。
なお、失声は女性に多いとのこと。
ストレスはためないように適宜発散し、日頃からストレス耐性を高めておくのがよいでしょうね。
もっと、メンタル強化の方法について詳しく知りたい方はこちら。
あと、自分に社交性がないとお悩みならこちらも参考にして見てくださいな。
・レジリエンスを高める
レジリエンスとは少しかっこつけて言うと「逆境から這い上がる力」です。
逆境にある時、人は強いストレスを感じるものです。
そんな時にあっても、逆境の苛烈なストレスに負けない人というのがいます。
実は研究によって、逆境に耐性のある人の特徴が判明しています。
ぜひ、参考にして見てくださいな。
・コンフォートゾーンを広げる
コンフォートゾーンとは、簡単に言うと「自分にとって居心地のいい場所」です。
コンフォートゾーンを広げるのは、自分にとって快適な状態からわざと出て行ってストレスに自分を慣らすためです。
それを繰り返していくことで、あなたの活動領域や可能性が広がっていくというわけです。
人が怖い場合、街で知らない人に話しかけることなどを通して、徐々に対人ストレスに自分を慣らしていく方法があります。
詳しくはこちら。
・マインドフルネス瞑想をする
マインドフルネス瞑想では、「今この瞬間」を意識します。
効果として、セルフコントロール能力、つまり自分の感情を制御する能力が高まることが挙げられます。
セルフコントロール能力の向上は、ストレスを減らし、また集中力も高めてくれます。
マインドフルネス瞑想について詳しくは、こちらをどうぞ。
・自分に優しくなる
人の目を気にしすぎて「自分はこんなんじゃ人に嫌われる!」なんて自己否定をしてはいないでしょうか?
人間なんて不完全なものです。
人は時として間違いを犯すもの。
「誰からも嫌われない人」になるのは無理なんです。
これは「パレートの法則」からも明らかです。
ある集団があったら、あなたについての好き嫌いは以下のようになるのです。
- 好きが2割
- 嫌いが2割
- 普通が6割
だから、嫌われることは普通です。
あなたは自分を好きになってくれる人を大事にしたらいいのです。
そして、あなたはできない自分を責めるのではなく、励ましてあげる必要があります。
自分が自分の人生で一番の親友です。
どうか自分に優しくいてくださいな。
では、ここに自分に優しくする方法とパレートの法則についての詳しい記事等を置いときます。
・効果的な自己開示や交渉の仕方を身につける
効果的な自己開示の仕方を知っておけば、あなたは初対面で何から話したらいいかがわからず困ることは無くなるでしょう。
これは異性に対する時にも言えます。
初対面での印象が悪いと恋愛関係にまで発展させることは困難です。
健全な人間関係を築く上でも効果的な自己開示の方法は欠かせません。
詳しくは以下からどうぞ。
また、仕事などでは相手と交渉する時などに緊張してしまうでしょう。
なぜ共章で緊張してしまうかについては、もちろん人によるところは大きいでしょうが、「相手をうまく説得できないのでないか?」との懸念によるところは大きいと思います。
そこで、相手を真に学的に納得させるために役立つ知恵をどうぞ。
・リフレーミングを使う
リフレーミングとは端的に言うと物事の見方を変える事です。
世の中のものごとには、そもそもいい悪いという事はありません。
問題なのは「とらえ方」なのです。
あなたが人前に出て緊張しているなら、それを悪いことだと思わず、「きっと、これは自分の体がこれから人前に立つから準備をさせているのだ」なんて考えを変えると緊張が緩和されると研究で言われています。
とらえ方が大事なのです。
りフレーミングについて詳しくはこちら。
8、対人恐怖症を一人で抱え込まないことが大事
何となく、まだ日本では精神科や心療内科に対する敷居は高い気がします。
そう、
「もし精神科や心療内科に通っている事が知れたら、変な目で見られるかもしれない」
なんていう心配があるかもしれません。
でも、だからといって「問題をなかったこと」にしたり、「一人で抱え込む」のは、あなたの健康には多大なる損害です。
もし、自力で改善することが難しいと思うのなら、一人で抱え込まずに病院の門をたたいて下さいな。
一人で悩みを抱え込むのが一番ヤヴァイ!
ヤヴァイよヤヴァイよ!
リアルガチで!
、、、てなわけで、病院が敷居高く感じるならまずは公共機関に相談してみましょう。
例えば、精神保健福祉センターがいいでしょう。
精神保健福祉センターは各都道府県、ないし各政令指定都市に1か所ずつ設置されています。
相談を受けつける内容は心の不調や精神疾患などです。
センターによりますが、医師や看護師、精神保健福祉士が対応してくれるところもあるそうです。
あとは対人恐怖で孤立感を深めなてウツにならないために、U2plusといううつ病コミュニティサイトの利用もいいでしょう。
参考:
認知行動療法をベースにしたうつ病コミュニティ「U2plus」
おわりに
この記事では対人恐怖症について、原因や症状、自分でできる取り組みなどについて述べました。
あなたの感じる対人恐怖が、当記事で述べた方法で少しでも改善したら幸いです。
とはいえ、自分でできる事には限界があります。
やっぱり、「自力じゃ無理だな」を思ったら、迷わずに外部機関を頼ってくださいね。
確かに、あなたが対人恐怖をもっているなら、世間からの評価には人一倍敏感になるでしょう。
でも、やはり「健康には変えられません」。
健康あってこそ幸福感のある充実した人生ですよ。
やはり、精神の健康を何よりも優先していただけたらと思います。
では!!
参考記事等