「嫉妬って本当に醜い感情だよなあ、、。でもなあ、それはよくわかっているのに気が付いたら嫉妬してるんだよなあ。実際、わたしもこの間自分の後輩がわたしよりも成果を挙げて思わず、嫉妬してしまった、、、。ああ、マジで恥ずかしいわ。嫉妬なんてなんでおこるんだよ、、、、。もう、嫉妬なんてしたくない。」
んー、まあなあ、嫉妬はするものよ。
仕方ないって。
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「他人への嫉妬はどうして起こるんだろうか?カギは自己評価維持モデル」という話です。
今回は以下のような人に向けておおくりします。
- 嫉妬が起こる仕組みについて知りたい人
- 嫉妬の感情に対策したい人
嫉妬を美しいと感じる人は普通はいないでしょう。
事実、歴史的にも「悪い感情の一種」として扱われてきましたしね。
例えば、キリスト教では七つの大罪の一つに数えられています。
そんな「醜い」といわれがちな嫉妬感情ですが、今回はそのような蚊なん情がなぜ生じるのかを詳しく見ていきましょう。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
嫉妬は自己評価維持モデルで説明できる
嫉妬が起こる仕組みは自己評価維持モデルによって説明できます。
自己評価維持モデルとは心理学者A・テッサーさんによる以下の2点を前提に自己評価をモデル化したものです。
- 他者との関係性が自己評価に大きな影響を与える
- 人は自己評価を維持または増大するよう行動する
人は自分自身を価値ある存在であると思いたいため、自然と以下のような行動をとるものです。
- 自己評価を上昇させる事柄を素直に受け入れ称賛する
- 自己評価を低下させる事柄は拒否し抵抗する
具体的に言うならば、自分の同僚ないし後輩が自分より成果を出して上司から評価されていたり出世をしたりするのが面白くないのは、それにより自己評価が低下すると感じているからです。
対して、自分の兄や姉が起業で成功して資産家になったり、省庁内で出世して事務次官になったりしたりして誇らしく感じるような場合は、それによって自己評価が上昇すると感じていることになります。
上記2例はどちらも「自分以外の他者の成功」という点では共通しています。
しかし、その成功に対する感じ方は全く逆といえるでしょう。
このように同じ事象であってもその受け取り方は変わってくるんですねえ。
まあ、こういったところが人間心理の非常に興味深かったり面白いところといえます。
自己評価維持モデルの要因と仕組み
自己評価維持モデルでは自己評価を行う基準として以下の3つがあるとしています。
- 他者との心理的距離(どれだけ自分と身近か)
- 課題の関連性(自分の取り組んでいる分野とどれくらい関係あるか)
・他者の遂行レベル(自分よりも上手にできるか否か)
また、自己評価モデルでは以下の二つの過程が存在しているとされています。
・比較過程
比較過程においては、心理的な距離の近い他者の遂行が自分の遂行よりも優れていた場合には自己評価が低下し、自分の遂行より劣っていれるなら自己評価が上昇します。
・反映過程
反映過程においては、心理的距離の近い他者の遂行が自分の遂行より優れていた場合には自己評価が上昇し、自分の遂行よりも劣っていたなら自己評価が低下します。
そして、この2つの過程のいずれが採用されるかを決定づけるのが「他者との心理的距離」になります。
具体的に言うなら、自分と身近さが高い人(心理的距離)が自分が一生懸命に取り組んでいる事柄(関連性) を自分より上手にできる(遂行レベル)場合、自己評価が低下してしまいます。
そして、上記2つの過程のどちらが採用されるかは「課題が自分と関連性があるかどうか」にかかっているといいます。
つまり、上述のように同僚や後輩が「自分と同じ課題に取り組んでいる」際には、自分よりも評価されていると自己評価が下がってしまうということです。
人がこのような自己評価が低下する事態に直面すると、その低下に抵抗しようとして嫉妬という感情が生じます。
で、その嫉妬心から相手の足を引っ張ろうと躍起になったり誹謗中傷をしたりして、何とかして自己評価を維持しようとするわけです。
これがもし、身近な人であっても「自分が取り組む分野との関連性」が低くければ嫉妬は起きず、むしろ誇らしいなんて感情を持つことになります。
例えば、自分の兄弟が事務次官になったなんて場合、自分がそのような省庁での出世についてこだわりがないのであれば、嫉妬のような感情は起きにくいでしょう。
これが自分も官僚で事務次官を狙っていたとなると話は別になるでしょうね。
特に同じ省庁内にいたとなったら、争いは凄絶を極めるかもしれません。
これは友人関係にも言えることで、いかにお互い励ましあって同じような夢を目指して頑張っていた親友同士であっても、片方が成功すると疎遠になってしまう傾向は高いといえます。
嫉妬は悪い感情ではない!
嫉妬は醜い感情だなんて意見が一般的ではありますが、嫉妬は人間として自然な感情なんです。
別に感じることに罪はないのですよ。
ただ、まあいい気分のする感情ではないのは確かです。
できることなら、嫉妬をせずに心安らかに過ごしたい人の方が多いかと思います。
そこで嫉妬への対策をここで提案しましょう。
結論から言うと、「自分にとって重要な価値を確認する」と嫉妬をしなくても済みます。
人は自己評価が低下するとそれを回復させるために、自分より恵まれない立場の人や劣った人と自分を比較しがちです。
しかし、スペンサーさん達の実験によって「自分にとって重要な価値が何であるか」を確認できていれば、自分より優位の他者と比較しても自己評価が低下しないことが示唆されています。
なので、自分にとって重要な価値が何かを確認してみることをおすすめたいところ。
自分の価値を見つけたい人は以下からどうぞ。
なお、この自己価値確認の有効性の前提になっているのはスティールさんらによる自己価値確認理論です。
また、嫉妬感情を感じてしまっても嫉妬感情はあなたが「ほしいもの」を明確にしてくれるものでもありますから、使いようによってはいい感情とも言えます。
詳しくは以下の記事からどうぞ。
メシウマの正体はシャーデンフロイデ。妬みが人から無くならない訳。
おわりに
この記事では「他人への嫉妬はどうして起こるんだろうか?カギは自己評価維持モデル」と題しておおくりします。
嫉妬は自己評価維持モデルによって説明できました。
嫉妬は自己評価が低下する事態に直面した際に生じる一種の自己防衛反応です。
また、嫉妬は一般には嫌われがちな感情ではありますが、人間の心理としては自然なものです。
嫉妬を感じることは悪いことではないので、大いに感じればいいですし、それを感じる自分を責める必要はないんですね。
ただ、その嫉妬感情をもって誰かを攻撃するのではなく、その嫉妬感情により自分の「ほしいものが何か」を明確化させて手に入れるために努力する方向に活用したほうが建設的です。
嫉妬を感じたときは「いったい自分は何が欲しいと思っているのか?」ということを意識してみましょう。
そして、嫉妬感情を感じないで済ませたいのであれば、自己評価を「自分の大切な価値を確認するこ」によって回復するようにしたらいいですね。
感情に善悪はないです。
大事なのは使い方。
では!
参考記事等