今回は以下の様な方に向けておおくりします。
子供の心の発達について興味がある人
「子供の発達って本当不思議だよなあ。一体、子供の心ってどうやって発達していくんだろう、、、。将来、自分に子供ができたときのことも考えたら、事前にこどの心理の発達について詳しく知っておきたいわな。」
うん、まあ事前に知っておくのは大事よな。
あと、教育関連の仕事をする人にとっても、子供の心の発達を知るのは有益よねえ。
オニギリス!
脱マンネリストで心理カウンセラーのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「『発達心理学』子供の心の発達をピアジェの心理学の立場から見てみる」という話です。
子供って正直な話何考えているのかよう分からんですよね。
いきなりでサーセン。
わたしもそれなりに英語を子供たちに教えていた経験があるんで、本当思うんですよね。
「なんや、こいつら何考えてるん?」みたいなことってまあありました。
ただ、教えるのは中高生だったのでそんなに酷いことはありませんでしたがね。
ま、心理学にあかるくなってから多少は困惑することがへった印象です。
子供の心の発達について詳しくなると子供の心理が読み解きやすくなる(またはその指針がある程度明確になる)ので、子供をこれから作ろうとしている人はもちろん、教育に関わろうとする人にとっても参考になるかと思います。
今回はピアジェさんが唱えた子供の発達についての理論について少し詳しくみてみましょう。
ピアジェさんが唱えた発生的認識論は教育や医療に携わる多くの人に学ばれているものです。
きっと、子供を支援するためのなんらかの力となるでしょう。
あと、公式ラインでは不定期ですがストレス解消についてのお役立ち情報を配信しています。
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では、ゆるりとおおくりします。
目次
ピアジェってどんな人だったん?
さて、今回は子供の発達について少し詳しく見ていくわけですが、その前に今回参考とする理論の提唱者であるピアジェさんと彼の提唱した理論について少し確認しておきましょう。
ピアジェさん(1896~1980)はスイスの児童心理学者であり認知的発達理論を提唱し、心理学における認知発達の分野で大きな業績を残した人です。
ピアジェさんの提唱した認知的発達理論(または発生的認識論)とは、人の認識の発生を系統発生と個体発生の2つの側面から考察したものになります。
より具体的に言うなら、認知的発達理論は人間の心理や知能の発達に関して「生物的な成長」と「成長過程の中で知識や経験を重ねたことによる成長」の2つの側面から考察した理論といえるでしょうか。
子供の発達段階には4つある
ピアジェさんは子供を生物学的発達ないし外的刺激に対する受動的な存在ではなく、この過程へ積極的に参加する存在であると考えました。
また、ピアジェさんは子供を何が生じるかを見るため外界の物事や事象を実験する「有能な科学者」であると考えていたんですね。
具体的に言うなら、子供たちは「このラジコンをかじるとどうなるのか」とか「このボタンをおしたら何が起こるのか」といった様々な実験を行いその結果を彼彼女らなりに考察して、スキーマを構築していくといいます。
※スキーマとは心理的な描写(心象、概念)。物事に関する一般化された知識。なお、ピアジェの発達心理学の文脈において述べるときはスキーマの事を「シェマ」と呼ぶのが通例であり正しい。これは英語がshemaであることに由来する。
そして、それらの実験や体験により構築された既存のスキーマと新たな体験を照らし合わせて理解しようと試みることを同化といい、新たな体験が既存のスキーマと合わない場合に既存のスキーマを新しい情報に適合するように既存のスキーマを修正して世界に関する理論を拡大させていくことを調整と考えていくんですね。
その上で、子供時代全体の認知発達をピアジェさんは以下の4つに段階的にまとめており、4つの発達段階は「子どもにより個人差はあれども普遍的な順序で経験していく」としました。
- 感覚運動期(感覚運動段階)
- 前操作期(前操作段階)
- 具体的操作期(具体的操作段階)
- 形式的操作期(形式的操作段階)
以下順次その概略を解説します。
・感覚運動期(感覚運動段階)
誕生~2歳位までを感覚運動期といいます。
この期間では自己や物とを区別したり、自分を活動を起こす主体であると認識し知的に活動し始めるそうです。
知的活動の具体的内容についてですが、頭の中で物事を考えていく思考過程自体というよりも「運動(活動)と感覚(結果)の連合の形成」、つまり「活動と感覚を結び付けていくこと」を指します。
そして、この段階における重要な発見には「対象物の永続性に関する概念」が挙げられますね。
※対象物の永続性とは対象となるものが自分の視界から消えても存在し続けている認識のこと。
子供はこの段階で最終的に、「言葉を意味立てて使う」とか「何かを殴り書きする」ようになります。
・前操作期(前操作段階)
前操作期は2~7歳位までになります。
この段階では以下のようなことが特徴がありますね。
- 言葉の使用によりイメージや単語によってものを表象(象徴的にあらわす)ことを学習する(例:おもちゃのブロックを飛行機や人形に見立てる等)
- 思考はいまだ自己中心的であり他者の視点を理解することが困難(自己中心性)
- 対象を一つの特徴により分類できる
この段階になると言葉を意味立てて使えるようになってきますが、まだ言葉やイメージは理論的に体系化されていません。
そして、この段階では保存の概念も理解できていないとされていますね。
※保存の概念とはある物の見た目や外見等が変わったしても、その物の数量や重さが変化しないということ。例:小さいコップに入った水を大きなグラスに移しても水の量は不変。
・具体的操作期(具体的操作段階)
具体的操作期は7~12歳位までになります。
- 出来事や対象物を理論的に施行することができるようになる
- 数や量、重さの保存の概念が理解できる
- いくつかの特徴により対象を分類することができる。また、それらを一つの次元(多い順に並べる等)により並べることが可能になる。
子供は5歳くらいになると友達のいrに行く道順を理解することができるもののその道順を人に教えたり地図にすることは困難ですが、8歳くらいには可能になるといいます。
そして、この時期の子供は抽象的な言葉も使うものの、具体的事物で直感的かつ感覚的に利用できるものに対してだけ可能であるとか。
5歳児位は、友達の家へ行く順路を理解することが出来るが、その順路を人に教えたり、順路を地図にするなどは難しいが、8歳位には可能になる。
また、この時期の子供は、抽象的な言葉も使うが、それは具体的事物で直観的かつ感覚的に利用できる事物に対してのみ可能である。
・形式的操作期(形式的操作段階)
形式的操作期は12歳以降になります。
- 抽象的な命題を理論的に思考して仮説を立てて系統的に検証することが出来るようになる
- 仮説的な問題や将来の問題、観念的な問題にも対処できるようになる
この段階になるといろんな物事の形式的な組み合わせを網羅したり検討したりできるようになります。
しかし、全ての人が空ずしも成人までに、ないし成人がこの段階に達するわけではないとそうです。
ただ、全ての人が成人までにこの段階に達するとは限らないといいます。
より詳しくこの4つの段階について知りたい方はこちらをどうぞ。
参考
ピアジェの心理学にも批判がある
実は、ピアジェさんの精緻な理論も歴史の荒波の中で数々の批判にさらされて今に至っています。
ま、批判の余地が全くない完全無欠の理論が完成するなんてことはありえないので、当たり前っちゃ当たり前ですけどね。
とはいえ、ピアジェさんの理論は根本から否定されているのではなく、むしろ数多の批判や検証を経てよりブラッシュアップされているといっていいでしょう。
ピアジェさんの理論はかなり革命的なものでしたが、その後の新しい研究や検証等で子供の能力を過小評価をしているとされました。
例えば、ピアジェ理論に沿って考えれば8~12か月くらいに対象物の永続性を獲得するとされていますが、他の研究では3か月半の乳児でも対象物の永続性を示すことが確認されています。
ピアジェさんの理論に対する批判について詳しくは以下。
参考
おわりに
この記事は「『発達心理学』子供の心の発達をピアジェの心理学の立場から見てみる」と題しておおくりしました。
今回は子供の心の発達についてピアジェさんの理論に基づいて概観してみましたね。
その後の研究や検証によってピアジェさんの理論は修正されているものの、子供の発達を考える上ではかなり参考になると思います。
その時は完全無欠に見えても、時が経過すると必ずどんなすごい理論も「それちゃうんやない?」て突っ込まれる日がやってきます。
なので、「これこそが真理だ!」なんて思いこまず、どんなことも「これは後々ひっくり返るかもしれない」という姿勢を持ちつつ参考にするのがいいでしょう。
ピアジェさんの理論についてより詳しく知りたい方は以下の本をよんでみるといいでしょう。
では!
参考記事等
「ストレンジシチュエーション法」乳児の反応で母親との関わりがわかる。