「西尾維新の物語シリーズって変わった言い回し多いよな。なんか妙に印象に残ってしまう、、、。特に詐欺師の貝木泥舟のセリフ、、、何だっけニセモノがどうたらってやつ。あれ凄く印象に残っているんだよな。」
ふむ、偽物には本物になろうとする意志があるから本物よりも尊いってやつだね。
まあ、何とも言えない言い回しだわな。
オニギリス!
脱マンネリストで心理カウンセラーのおにぎりです。
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「「偽物の方が圧倒的に価値がある」という考えは、生きる上で役立つ」という話です。
今回は以下のような方に向けておおくりします。
・話のネタが欲しい人
・「偽物の方が本物よりも圧倒的に価値がある」という言葉について考察してみたい人
「偽物の方が本物よりも圧倒的に価値がある」という言葉を聞いた言葉を聞いたことがある人はそこそこいるのではないでしょうか?
この言葉は西尾維新さん著の物語シリーズの中の一つである「偽物語」にて、詐欺師である登場キャラの貝木泥舟(かいきでいしゅう)が放った言葉です。
常識的に考えれば、「何をバカなこと言ってんだよ。偽物は所詮偽物だろうがよ」と思うものでしょう。
確かにそれはそうなのですが、この発想は「人生を幸せに生きるために役立つ可能性がある」ともいえると思うんですね。
という事で、少しこの言葉がなぜ人生に役立つかについて見ていきましょう。
なお、他にも名言を知りたいという人は「「心に響く名言(迷言?)」心に残る名言60選「人生に豊かさと気付きを」」の記事をご覧くださいな。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
「偽物の方が本物よりも圧倒的に価値がある」とはどういった経緯で出てきた言葉なのか?
「偽物の方が門補のよりも圧倒的に価値がある」という言葉は、西尾維新さんの物語シリーズ第3弾『偽物語』にて詐欺師の登場キャラである貝木泥舟が言った言葉です。
そして、この言葉はこう続きます。
「そこに本物になろうという意思があるだけ、偽物のほうが本物よりも本物だ」と。
この言葉は、貝木が大学時代の旧友である忍野メメと影縫余弦(かげぬいよづる)といったキャラ達と
「本物とまったく同じで区別もつかないような偽物とどっちの方が価値があるか」
といった議論の中でいったものであるとされているようです。
、、、うん、何でしょうね。
分かるようなわからんような、何とも言えない言い回しですな。
ちなみに、忍野は「本物と偽物は等価」であり影縫は「本物の方が価値がある」という結論だそうな。
物語シリーズはアニメ化もされているので気になる人は、UNEXTを利用して見てみてもいいでしょう。
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「偽物の方が本物よりも圧倒的に価値がある」は妥当なのか?
さて、では
「偽物の方が本物よりも圧倒的に価値がある。そこに本物になろうという意思があるだけ、偽物のほうが本物よりも本物だ」
という言葉の妥当性について少し考えてみたいと思います。
この言葉は一見、「うん、なるほど!」と言いたくなるものの、なんか違和感があります。
おそらくその原因はものの真贋(しんがん)と「本物足らん意思の在、不在」という全く別次元の問題を混同しているからではないかと思いますね。
まあ、早い話が「論点のすり替えが行われている」って感じです。
「あるものが現実に本物であるか偽物であるかいう事」と、「そのものが本物になろういう意思を持っているかどうかという事」は直接関係ないんですよね。
本来比較できないものを持ち出してきて、無理やり比べようとしている感が否めません。
そして、そもそも「本物か偽物か」の基準の取り方が問題ですね。
ということで、貝木と忍野、影縫のそれぞれの真贋の基準を示してみると以下のようになるのではないでしょうか?
- 貝木:本物たらんとする意思の在・不在
- 忍野:認知するものの主観
- 影縫:事実の真偽(国から認可を受けたか等)
例えば、手塚治虫さん原作の『ブラックジャック』の主人公である無免許医のブラックジャックを引き合いに出して考えてみましょうか。
ブラックジャックこと間黒男は、医学的知識豊富で天才的な手術技術を持ち数々の人命を救った実績があり並の医者とは比較にならないスキルを持った人物です。
しかし、無免許医なので彼は影縫い流に言えば「医者の偽物」です。
その一方で、普通の医者には「もう手の施しようがない」とさじを投げられてしまったが、彼に実際に助けられた患者からしたら彼は「まぎれもなく偉大な医者」なわけです。
実際にそのスキルを目の当たりにした患者側からの認識では、「彼は紛れもなく名医」なので「本物の医者」でしょう。
これが忍野流の解釈ですな。
で、ブラックジャックがこのような技術を身に着けるに至るには、正規の医学教育は受け才能がもとよりあったことは間違いないにせよその後の数多の試行錯誤を経験したという経緯があります。
これを見るに、ブラックジャックが「本物の医者たらん」とする並々ならぬ強い意思をもって研鑽を積んできたことがうかがえますね。
「本物たらんとする意思」によって「本物の医者と言ってもそん色ない」、いや「卓越したスキルを持つ天才外科医」と称するに足る次元にまで達しているわけです。
これが貝木の言うところの、「本物になろうという意思がある」ことによりむしろ本物らしくなっている例と言えましょう。
ただ、現実的な観点から言えば、貝木の主張は明らかな論点すり替えなため、影縫いの「本物の方が価値がある」が妥当です。
忍野の「本物と偽物は等価」という主張も主観的すぎるため、妥当とはいいがたいですね。
やはり現実的な視点から考えるなら、「一体何が事実であったのか」に着目すべきですし、物事の判断にあたっては「何が事実で何が事実でないのか」を確定していくなば現実社会は機能しません。
とはいえ、事実の確定って本当に難しいものです。
特に、中国のようにブランドのスーパーコピー品や偽の証明書等が普通に売られていて何が本物かわかりにくい国では、事実確定に非常に手間やコストがかかるので「信用の担保」が非常に困難ですねえ。
貝木が詐欺師という設定なので、彼にこの論点のすり替えっぽいセリフを言わせるところは非常にうまい演出って気がしますね。
言葉として妥当かはともかくこの言葉は人生に役立つ
正直言って、「偽物の方が本物よりも圧倒的に価値がある。そこに本物になろうという意思があるだけ、偽物のほうが本物よりも本物だ」という言葉は、論点のすり替えと言っていいでしょう。
しかし、この言葉は人生に役立つ言葉と言えます。
この言葉における「本物」を「理想」へ、「偽物」を「努力」に置き換えてみてください。
理想を追って努力をする人は、あまり幸福度が高いとは言えません。
それというのも、「理想とは絶対に達することのできないもの」だからです。
理想に固執するといつになっても「理想と比較して不完全な自分を認識し続ける」事になるので、飢餓感しか持てません。
よく「幸せになろうとすると不幸せになる」という話がありますが、これも「理想的な幸せ」を追うといつになっても「幸せでない自分」を強く認識してしまうという事に由来しています。
理想に固執するのではなく、「理想に向かって努力している事」に価値を見出すのが最適です。
理想は軽く持って「すこしでもちかずけたらいいなあ~」等とラフに考えるのがいいってことですね。
理想を軽く持つ事について詳しくは以下の記事を参照くださいな。
まとめ:本物になろうとする意志は大事!
この記事は「「偽物の方が圧倒的に価値がある」という考えは、生きる上で役立つ」と題しておおくりしました。
貝木泥舟の「偽物の方が本物よりも圧倒的に価値がある。そこに本物になろうという意思があるだけ、偽物のほうが本物よりも本物だ」という言葉は、正直論点のすり替えと言っても過言ではないと思います。
「事実として本物かどうか」と「本物になろうとする意志があるかどうか」は、直接的に関係ありません。
しかし、この考えを「理想とそれに向かって努力する事」という関係性に持ち込むと、かなり有益なものとなります。
理想に固執するのではなく、「理想と比べたら自分はいつまでも偽物だけども理想に近づこうとしているのだからいいんだ」と思えますからね。
理想に固執しないのが幸せになるコツと言えましょう。
では!
参考
https://dic.pixiv.net/a/%E9%96%93%E9%BB%92%E7%94%B7
参考記事等
気になるパワーワード集めてみた。あと破壊力のある言葉の作り方も考えてみた