「傍観者効果」なんで、困っていても誰も助けてくれないのか?

「この間、大体夜の8時ごろに繁華街で若い女性が酔っ払い数人に絡まれて待っていたのを目撃した。その通りにはたくさんの人がいてその現場を目撃していたにも関わらず、誰も女性をたすけようとしないんだな、これが。本当、思いやりが声高に叫ばれる日本で誰も助けに行かないとか世も末だ。え?わたし?わたしは助けに行ったよ。」

おいおい、まあわかるんだが警察呼ぶくらいにしとこうぞ。

それが自分の彼女とか親友ならいざ知らず、、、。

相手が酔っ払いとなると最悪殴られるかもしれんぞ。

オニギリス!

脱マンネリストのオニギリです!

今回もよろしゅう!!

今回の話題は「「傍観者効果」なんで、困っていても誰も助けてくれないのか?」という話です。

今回は以下のような方にむけておおくりします。

こんな人が読むと役に立つよ
  • 傍観者効果について詳しく知りたい人
  • あなたは傍観者効果って知っているでしょうか?

これは例えばある人が街中でチンピラに絡まれてしまって周囲に助けを求めても、だーれも助けに来てくれないみたいな状況を説明する場合に使われたりする心理現象のことです。

まあ、悪い言い方をすると「大勢の人がいても見殺しにされる」なんて話ですな。

さて、なんでこんな見て見ぬ振りが起こるんでしょうか?

では、ゆるりとおおくりします。

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困っていても誰も助けてくれない?

周りに大勢人がいるにもかかわらず、誰も困っていてもたすけてくれないという事態が起こることがあります。

この現象が起こる心理的背景には傍観者効果の存在があるんですね。

傍観者効果とは

「他者に対して援助すべき状況であるのに周囲に多くの人がいることにより、援助行動が抑制されてしまう集団心理のこと」

です。

この傍観者効果の実験を行ったダーリーさんとラタネさんによると、「その場にいるのが自分だけなら援助行動が行われる確率が高くなる一方、周囲に多くの人がいればいるほど援助行動が抑制される」といいます。

そして実は、傍観者効果が提唱される契機となった事件があるんですね。

それがキティジェノバ―ス事件です。

キティジェノバーズ事件とは1964年3月13日にアメリカニューヨーク州クイーンズ群キューガーデン地区にて発生した殺人事件。

この地区在住のキティことキャスリーン=ジェノバーズさんが帰宅途中にキューガーデン駅付近で防寒ウィンストン=モーズリーに殺害されたというものでした。

ニューヨークタイムズによると、彼女は大声で助けを求めたものの近所の住人は誰一人として警察に通報しなかったといいます。

キティジェノバーズ事件について詳しくはこちら。

参考

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

この事件を知ったダーリーさんとラタネさんは、多くの人が事件に気づいていたのに誰も被害者を助けようとしなかったことに注目して以下のように考えました。

「多くの人が気づいていたから誰も助けなかったんじゃね?」と。

そう、逆転の発想とでもいえそうな発想をしたんですね。

そして、二人はある実験を行います。

その実験の概要が以下。

  • 被験者:ニューヨーク大学の学生達
  • 被験者たちに集団討論に参加してもらい、「討論の最中に参加者の一人が発作を起こす」という緊急事態を作った
  • 被験者は2、3、6名と3つのグループに分けられて、マイクとインターフォンを使い順番に発言し討論をするとの説明を受ける
  • 説明の最中に参加者の一人が突然苦しみだして助けを求める声が流れるが、発言の持ち時間が終了してマイクが切れるという事態が発生する
  • この緊急事態に際して、被験者が廊下にいる実験者にこれを知らせるか、ないし知らせるのにかかった時間を測定した

※実際には、被験者以外の参加者は存在せずすべてがテープに録音されたもの。被験者は集団討論に自分以外にも参加してる人がいると信じている状態にある。

この実験の結果は以下のとおり。

  • 2名のグループ(要は、この緊急事態を目撃したのが自分しかいないと思っている場合):迅速に報告する傾向あり
  • 3、6名グループ(要は、他にも多くの参加者がいると思っていた場合):報告率が低く報告した場合であっても時間がかかった

この結果からダーリーさんとラタネさんは傍観者の人数が、緊急事態における援助行為の抑制をもたらすと考えたんですね。

傍観者効果の原因

さて、次にダーリーさんとラタネさんが考えた傍観者効果の原因について見ていきましょうか。

お二人によると傍観者効果の原因には以下の3つがあるそうです。

  • 多元的無知
  • 聴衆抑制
  • 責任の分散(拡散)

以下順次簡単に述べます。

・多元的無知

多元的無知とは周囲の人が何もしていないから援助しなければいけないほどの緊急性はないだろうと誤って判断してしまうこと。

つまり、自分以外の目撃者たちが何も行動を起こさないのを見ていて、「あ、なーんだ、別に何か援助しなくちゃいけないほどの事態じゃないのね。だって、誰も動いてねえし」と考えてしまうってことですな。

事態を過小評価してしまっているわけです。

これって怖いですよね。

誰かが動き出さないとみんな「別に大したこと起こってないっしょ」て思って誰も手を貸す気にならないって話ですから、、、。

地獄絵図ですな。

・聴衆抑制

聴衆抑制とは行動を起こして失敗した時の他者から受けるネガティブな評価を気にして不安になり、援助行動が抑制されるというもの。

上手く援助できなかったらかっこ悪いなんて思う人は多いでしょう。

もし、助けようとして断られたり自分だけが援助しようとしたらかっこつけているみたいでなんかきまりが悪いなんて感じがちです。

こんな風に考えたあげく「まあ、失敗したら恥いしやめとこ」という事なかれ主義に陥るってことっですねえ。

まあ、ありがちかもしれません。

・責任の分散(拡散)

責任の分散(拡散)とは他の人達も自分と同じ様子を見ているので、「自分が援助しないと」という責任感を感じにくくなる、また自分が援助しなくともとがめらる可能性を感じないため援助行動を起こさないというものです。

まあ、これはかなり納得いくのではないでしょうか?

実際には人は助けてくれる?

傍観者効果の存在を知って「あーあ、世知辛いなあ」と思う人も一定数いると思います。

しかし、「実際には傍観者効果は起こりにくいのでないか?」と思わされる研究もあるとのことです。

それはイギリスのランカスター大学とデンマークのコペンハーゲン大学の研究グループがケープタウン、アムステルダム、ランカスター中心部に仕掛けられていた警察の監視カメラ映像を分析したものになります。

※これら3都市は暴力犯罪の発生率と重大さに対する住民の認識がずいぶん異なっている街。

この調査の分析対象となった映像は条件に当てはまった219本です。


その結果、9割のケースにおいて少なくとも1人が困っている人を手助けしようとしたのみならず、傍観者効果による常識とは真逆で、周囲に人が多いほど助けようとする傾向にあるとも明らかになったといいます。

なお研究グループによると、これまでの傍観者効果に関する研究は「責任分散」について検証したものであり、、助けたいという一般的な気持ちである「機械的な救助ポテンシャル」についての検証は不十分であったとそうです。


つまり、「人間には人を助けたいという気持ちがある」ということでしょうかね。

 ただしこの研究は、都市中心部の商業地区におけるケースを分析したに過ぎません。

そのため、例えば音楽やスポーツイベントでの事故、大学キャンパスでの性的襲撃などといったケースでも同様の結果が起こるかは分からないとのこと。

とはいえ、少し気持ちが軽くなる?結果ではないでしょうか。 

原則、困っている人がいたら助けたほうがいいんじゃね?

まあ、ここまでの流れを総括したうえであくまで個人的な見解を述べてみたい気がします。

それは「原則、困っている人はたすけようぞ」ってことです。

ん?

綺麗事?

はは、まあね(笑)。

もちろん、自分を犠牲にしてまでなんていいませんよ。

自分に無理がない範囲でやればいいです。

なので、変な人に絡まれて困っている人を見かけたら警察に通報してあげるくらいはしてもいいと思うんですね。

ちなみに、川でおぼれている子供を助けるとかは正直「やめたほうがいい」です。

理由はちゃんとありまして、「服を着たまま泳ぐのは何の訓練もしていない人には困難だから」ですね。

なので、それこそ警察や消防なんかに通報するくらいにしたほうがいいかなって思います。

服を着たまま水に飛び込んでも自分がおぼれ死ぬかもしれませんからね。

ま、自分の命を懸けてまで他人の命を助けるのは無理があります。

とはいえ、自分から率先して他者を助けるという風潮が広がれば、より一層傍観者効果が起こることが防止できそうですよね。

それに人に親切にするとメンタルにもいいんですよ。

詳しくは以下からどうぞ。

おわりに

この記事は「「傍観者効果」なんで、困っていても誰も助けてくれないのか?」と題しておおくりしました。

傍観者効果とは「他者に対して援助すべき状況であるのに周囲に多くの人がいることにより、援助行動が抑制されてしまう集団心理のこと」でした。

そして、傍観者効果の原因には以下の3つがあるとされています。

  • 多元的無知
  • 評価概念
  • 責任の分散(拡散)

なお、傍観者効果は実際には起こりにくいとする研究があったりします。

まあ困っている人がいたら、原則として自分から率先して助けるようにしたほうがいいっすね。

では!

参考

https://psychoterm.jp/basic/society/bystander-effect

http://karapaia.com/archives/52286866.html

https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Famp0000469

参考記事等

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