「わたしはまだ教員になってまもない。だから、いろいろ生徒とどうやって接したらいいのか模索している。でもなあ、本当にうまくコミュニケーションがとれないんだよねえ、これが。なんか、上手なコミュニケーションの取り方ってないのかなあ、、、。」
まあ、そうよねえ、わかる気がする。
大変よねえ、教師。
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「ソリューションフォーカスとアプローチで人のいいところを引き出そう」という話です。
今回の内容は以下の人には役に立つと思います。
- これから教員になろうとする人
- 教員になって間もない人
- コミュニケーション能力を上げたい人
- これからカウンセラーになろうとしている人
さて、早速ですがソリューションフォーカストアプローチとは近年注目され始めた心理療法です。
これは心理療法ではあるものの、日常のコミュニケーションの中でも活用できるものなんですね。
この心理療法はいろんな人に適用できるのでカウンセラーになるならぜひ身に着けておいてほしいものです。
そして、何を隠そう、わたしの日常のコミュニケーションもこのソリューションフォーカストプローチを基調にしています。
普段から心理療法的な観点からコミュニケーションをしているわけです。
そのせいか、いろんな人からこれまで相談されてきましたねえ。
あ、それと余談ですがわたしは9年くらい私塾で英語の教員をやってました。
なので、思うのですが、ソリューションフォーカストアプローチは教育分野との相性はかなりいいと思います。
事実、教育現場での実践の取り組みも一部ではもうすでになされているようです。
では、ゆるりとおおくりします。
なお、当記事の内容はキャリアカレッジジャパンの上級心理カウンセラー取得講座のテキストを参考にしています。
目次
ソリューションフォーカスアプローチってなんなん?
ソリューションフォーカストアプローチを端的に言うと
「相談者の持っているいいところやすでに持っている力等に注目して相談者を勇気づながら、相談者の期待する将来像を実現していく」
という心理療法です。
ソリューションフォーカストアプローチでは、カウンセリングにおける目標を設定する際に相談者の問題が解決したときと今の違いを考えながら目標設定を行います。
ちなみに、この目標のことをウェルフォームドゴールなんて言ったりしますね。
この目標設定に関しては相談者自身にとって重要だと思えることが一番大事なので、カウンセラー自身の価値観をさしはさんで「それよりもこうすべき」みたいに助言するのはダメなんですね。
この姿勢は子育てや教育の場面でも大いに使えるものではないでしょうか?
確かに、受験をしなければいけない場面では子供が「受験なんて、勉強なんて意味ねーし、、そんなことやっても仕方ないんだ!」なんて言ったのに対して、「そうだね、受験なんてしなくていい」とは教師としても親としてもいいにくいとは思います。
しかし、その「受験をしないといけない」という制限の中でも、きっと子供一人ひとりに向き合うなかで、我々ができることはあるはずです。
もちろん、場合によっては「受験なんてしない」という選択肢だってありでしょう。
そんな時にソリューションフォーカスアプローチの基本姿勢は大いに役立つと思いますし、いままでわたしなりではあれど、この姿勢が教育の現場でも大いに役立つものだと実感してきました。
極意は傾聴と質問!
ソリューションフォーカストアプローチの極意は「傾聴と質問」です。
傾聴とはすごく雑な言い方をすると「しっかりと相手の言うことを自分の価値観を入れずに聞くこと」です。
傾聴については詳しくこちらの記事で解説しております。
質問は基本的にオープンクエスション、つまり「はい、かいいえ、では答えられない質問」を用います。
例えば、「どう感じましたか?」みたいな感じの質問ですね。
ちなみに、ソリューションフォーカスアプローチでは以下の3つの質問技法が使われます。
- ミラクルクエスチョン
- コーピングクエスチョン
- スケーリングクエスチョン
以下簡単に順次解説してみます。
・ミラクルクエスチョン
ミラクルクエスチョンとは「もし、奇跡が起きたとしたら、、、、」と想像してもらうことを促す質問です。
この質問の目的は「相談者がウェルフォームドゴールを見つけるのを助けるため」です。
例えば、「もし、奇跡が起こってこの問題が解決したらあなたにどんな変化が起こりますか?」みたいな質問ですね。
・コーピングクエスチョン
コーピングとは「対処」のこと。
コーピングクエスチョンは「今までにどんな対処が役立ちましたか?」みたいに相談者の対処能力を把握するのに役立つ質問です。
・スケーリングクエスチョン
スケーリングクスチョンとは相談者の気分や状態を数値化してもらうためにする質問です。
例えば、「0~10までの目盛りがあるとします。10が一番良いとした場合、今の状態はどのくらいですか?」みたいなものです。
実はこれはストレスを緩和させるテクニックとしても非常に有効なものなんですね。
自分のストレスに気づくことそれ自体が「ストレスの軽減になる」んです。
上記のようにメンタルの状態を数値化して認識する方法を「ストレスサーモメータ―」なんて言ったりします。
これを日ごろから意識しておくと「あの最悪の状態が100としたら、今のこのつらいことは60くらいだな」みたいに考えられるようになりますね。
このように自分のストレスを認識できるようになると、ストレスは軽減されますよ。
お試しあれ。
問題解決には「例外」の上手な活用が必要
ソリューションフォーカスとアプローチでは「例外に注目する」ことが非常に大事です。
ここでいう例外とは、相談者の「いつもなら問題が生じるであろう場面なのに、何も起こらなかった」という場合のこと。
この「例外的に問題が起こらなかった」場合を発見することで、問題を解決する糸口が見つかるかもしれないんですね。
例えば、いつもみんなの前で発表するときに緊張して吃音になってしまう子が、ある時みんなの前で発表しても何もなくスムーズに発表できた、なんてことがあったとしましょう。
本来、みんなの前で緊張して吃音になってしまうはずの状況で「吃音にならなかった」ということは「緊張していなかった」とか「緊張しても吃音にならない何かがあったのか」なんて、、、この例外からいろんな仮説が立てられます。
その仮説をもとに検証していけば、問題を解決することができるかもしれませんよね。
否定には感謝と共感で対応しよう
カウンセラーにかぎらず、接客業の方は日常のいろんな場面で「お前になんて話したくない!」なんていうようなめんどくさい人を相手に何かを話してもらうとかしてもらわないといけない状況ってあると思います。
教師の場合だと、よくテレビドラマにあるようなちょいとぐれ気味の子が「てめえになんかいうことはねえよ!」みたいな攻撃的な態度をとってくる場面に遭遇することがあるはず。
こんなときどう接したらいいのでしょう?
ソリューションフォーカストアプローチにおける対応としては、「相手の否定に対して感謝と共感を基調として攻撃的な態度の理由を聞くこと」が大事だといわれます。
いきなり理由をきこうとしてもそもそも信頼関係ができていないなら話してくれるわけはないので、否定の言葉に対しても共感や感謝を伝えて「わたしはあなたの味方である」との意思表示をしてから理由を聞くのが適切なわけです。
例えば、なんでか知らないけどいつも反抗的な態度をとる不良生徒がいたとして、「なんでお前はいつもそんなに反抗的なんだ!!」と怒鳴りつけても、「っるせえ!うぜえんだよ!」みたいに返されるのが落ちってもんです。
そんな時は先にその生徒のいいところを見つけてそこをほめつつ、反応してくれたらそれ自体に感謝をしたり話の内容に共感してあげたりするのが大事なわけです。
そんなやり取りをしていると実はその生徒の家庭に問題があって、それがきっかけでぐれていたりしたなんてこともあります
否定に対して否定で応戦しても何も解決しないんですね。
おわりに
この記事では「ソリューションフォーカスとアプローチで人のいいところを引き出そう」と述べました。
はい、ソリューションフォーカストアプローチは心理療法でありながら、日常のコミュニケーションにもとても役立つものです。
わたしはこの心理療法を知ったのはつい最近のことですが、長いこと同じような基本姿勢と質問の仕方をしていました。
なので、名前やその内容を知ったのは最近でも内容としては「そりゃあ、そうだ」て感じで特に目新しいことは何もなかった感じです。
ただ、手法として認識するのはそれはそれで重要ですね。
個人的な体感ですが、意識してからのほうが相談しに来てくれた人たちの反応がいい気がします。
「人から良く相談される」聞き上手な人はもしかしたら知らないうちに使っているかもしれませんよ?
ま、いずれにせよ、「相手の可能性を信じてあげる」て大事ですねえ。
では!