「ソロモン王のパラドックス」自分の事は意外とよくわかっていない

「私のかかりつけ医の先生は本当に親身になって診察してくれるいい先生なんだよな。わたしのしょうもない悩みですらきちんと聞いてくれるし判断も的確で知識も豊富。でも、不思議なことに自分の健康には無頓着というか気が回っていないのよね。医者の不養生って本当にあるんだなあ。」

うぬ、それはよくある事よ。

自分の現在の状況って自分にはよくわかんなかったりするもんさ。

オニギリス!

脱マンネリストで心理カウンセラーのおにぎりです。

今回もよろしゅう!!

今回の話題は「「ソロモン王のパラドックス」自分の事は意外とよくわかっていない」という話です。

今回は以下のような方に向けておおくりします。

・どうも他人のことはよくわかるのに自分のことはうまく判断できてないなと感じる人
・話のネタが欲しい人等

「自分のことは自分がよくわかっている」なんて多くの比とは思いがちですが、実際には「むしろ逆」である可能性があります。

そう、古のことわざに「医者の不養生」とか「染め屋の白袴」なんてものがある通り、

「その道のエキスパートですら自分に対しては他人に対するようには的確な判断ができていない」

なんて事があるんですな。

ですので、案外誰しも自分のことはよく見えておらず適切な判断ができていないのかもしれません。

さて、ではどうしたら自分のことが見えるようになるのでしょうか?

今回はそんなお話です。

では、ゆるりとおおくりします。

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自分の事はわかっているつもりでよくわかっていないものである

「他人に対しては的確な助言ができるにもかかわらず、自分のこととなると適切な判断ができない」という認知バイアスのことを、ソロモンのパラドックスと呼びます。

このバイアスにこのような名称を与えたのはカナダのウォータールー大学の心理学者であるイゴール=グロスマンさんです

このソロモン王のパラドックスという名称は、彼が行った研究の中で名付けられたといいます。

ご存じの方も多いでしょうが、ソロモン王とは旧約聖書の『列王記』に登場する古代イスラエル第3代目の王であり、古代イスラエル(イスラエル王国)の最盛期を築いたとされる「偉大なる知恵者」として語り継がれる人物です。

なお彼の父はあのダヴィデ像で有名なダヴィデだそうな。

しかし、そんな聡明なソロモン王ではありますが私事ではかなり失敗を犯しているそうです。

彼は父ダヴィデとは反対に内政を重んじた政策で国力を増していったのですが、同時に自身の出身部族であるユダ族の優遇や民衆へ重税等を課してなどして民衆から反感を買ったり、さらに晩年には享楽にふけっていたといいます。

彼は非常に賢かったのかもれませんが、自分の身内をひいきしすぎたり享楽にふけったりとあまり聡明とはいいがたいこともしているんですよね。

そのため彼は「堕落した王」ともされているようです。

グロスマンさんはこのようなソロモン王の振舞いから、「他人に対しては的確な助言ができるにもかかわらず、自分のこととなると適切な判断ができない」というバイアスを「ソロモン王のパラドックス」と名付けたのでしょう。

グロスマンさんが、「ソロモン王のパラドックス」という名称を創出するに至った研究において行われた実験では被験者たちに以下の2つのパターンの場面を想像してもらったといいます。

  • 自分の身に対人トラブルが起きた場面
  • 友人の身に対人トラブルが起きた場面

その後、全員にアンケートを取り以下の3点のような能力に違いが出るかを検証してみた富んだそうな。

  • 全体状況に対する知識の限界を把握できてるか?
  • 妥協できるポイントを認識できてるか?
  • 多様な落とし所を想像できるか?

するとその結果、「友人の身に起きた対人トラブルが起きた場面を想像したグループ」の方があきらかに冷静かつ総合的判断をする確率が高くなっていたのだといいます。

しかも、この現象は年齢を問わずに起きるそうです。

で具体的に言うと、20〜40代と60〜80代の被験者をくらべてもやはり同じような結果が見られたといいます。

んー、やはり他人のことは冷静に見れるくせに自分の事となるとよくわからなくなる可能性があるようです。

参考

Exploring Solomon’s Paradox: SelfDistancing Eliminates the Self-Other Asymmetry in Wise Reasoning About Close Relationships in Younger and Older Adults

自分のことを客観的に見るにはどうすればいいんだろうか?

「他人事は冷静に判断できるくせに自分のことは冷静に判断できない」というのはどうも実際に起こる現象のようです。

では、一体どうしたら自分のことを冷静に判断できるようになるのでしょうか?

どうも上掲の研究におけるコメントでは、「他人に向けて話しかける様子を想像するだけで対人バイアスを簡単に消せる」と言及されています。

これは具体的には、 「頭のなかで自分の名前を呼びながら他人の視点から自分に助言する」といったもの方法だそうです。

何となく想像してみると、、、、

「おい、、おにぎり!おい!おにぎり、、、少し最近イライラしすぎなんじゃないのか?違うのかい?どっちなんだい?」って、、、感じ?

、、、、んー、、、、なんか気持ち悪いなあ(笑)。

ただ他にも自分を客観的に見る手法としては、以前紹介した脱フュージョンが自分を客観的に見るためには有用です。

脱フュージョンについては以下の記事参照。

自分の性格を知っておくのも大事だと思う

断言はできませんが、自分の大まかな性格傾向を知っておくのもソロモン王のパラドックスから脱するために、それなりに有効ではないかと思います。

自分の性格傾向について一番個人的に抑えておくべきことは、「自分が内向的か外向的か」というものであろうと思いますね。

内向的だと人とかかわらない時間をシッカリ取らないとストレスが溜まってしまいますが、一方で外向的だと人とかかわる時間をとらないとそれがストレスになってしまう傾向があるとされています。

事実、わたしはコロナの蔓延のせいで外にあまり出かけて行けなくなってから、結構イライラ気味になってしまっているんですな。

まあ、困ったもんです。

自分ではそんなに問題ではないと思っていたのに、結構イライラしていて少し極端な思考に陥っていたりネガティブな情報に目が留まりやすくなっていることに先日ツイッターのフォロワーさんに指摘されて気がついたんですよね。

自分の投稿を見直してみたら「あー、こりゃあかんわ」と思った模様。

という事で、性格を自己分析するとともにツイッターやっている人は自分の投稿を定期的に見返してみて「自分の投稿がどう変化しているか」を観察するというのもいいと思います。

自分の性格を知りたい人は以下の記事を参考にしてみてくださいな。

おわりに

この記事は「「ソロモン王のパラドックス」自分の事は意外とよくわかっていない」と題してお送りしました。

「他人には的確なアドバイスができるにもかかわらず自分では的確な判断ができない事」をソロモン王のパラドックスといいます。

このバイアスを回避するためには、自分事を他人事としてみてみるのが重要だという事です。

まあ、中々難しいけども、自分事を客観的にみられるようにしたいものですなあ。

正直、難しいけどお互い頑張っていきたいものです。

では!

参考記事等

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