「年配の人ってさ、みんながみんなではないけど、なんか「昔はよかったとか」、「古き良き日本」とかやたらと昔アゲな言動が多くない?正直、そんなこと言ったら原始時代が一番いい時代だったんじゃないかって感じだよね。昔なんて別に良くないし。スマホはないしDSもないし、不便だし、身分制度とかっていうキモいものもあるし、、、、正直、理解できないわ。」
まあね、その気持ち分からなくはないかな?
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は懐古趣味にもいい面と悪い面があるという話です。
若い人の中には、年配の人がよく言っている「昔はよかった」のセリフにイライラする人も一定数いるでしょう。
「冗談じゃない。昔なんて全然よくないから!」て思っている人がいるかもしれません。
はい、結論からいって「昔がいいと思う」のは、人間としては当り前の思考です。
客観的に考えるのであれば、昔の方が今よりよかったかは様々な分析の仕方で検証する必要があるでしょう。
特に、文化や風俗なんてものが関わってきたら、もうですね、個人の好き嫌いの話にも発展しかねないので不毛もここに極まれりって感じです。
正直この手の話題は本来
「あ、そう。あなたは昔が良かった、そうおもうのね。わたしはいいと思わないので関係ないですわね。ごきげんよう。」
で終わりになってしまうようなものです。
乱暴な言い方をすれば、「しったこっちゃない。あなたの好き嫌いなんて」て話。
ただ、これで終わらせてしまってはあまりに乱暴なので、今回は過去を懐かしむことにも意味がそれなりにあるという事を解き明かしていきたいと思います。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
1、思い出は美化される
思い出は美しい、、、、なぜか?
それは「あなたが思い出を美化しているからだ!」てことです、はい。
実は、人間の脳は嫌な記憶には意識的な抑制がかるようになっています。
一方で、自分にとって都合のよかった記憶は思い出す事自体が快感であるため、簡単に思い出しやすいのです。
つまり、嫌な記憶は思い出しにくく、自分にとって都合のいい美しい記憶ばかりを思い出すようになるんですね。
そして、思い出せば出すほどに過去の記憶の美しい部分ばかりが誇張された記憶となっていきます。
そして、同時に自分にとって都合の悪い嫌な記憶は、意識の渓谷の深淵深くに葬られてしまうんです。
もうですね、こうなっちゃ、ちょっとやそっとで表に出てきやしませんよ。
完全に嫌な記憶はわすれちゃってますね。
ええ、そうです。
言ってみれば、ゆがんだ形で「美しく洗練されてしまった記憶」ばかりが心に蓄積されて行くんですよ。
なんか、こう書くと非常に不毛ですねえ。
でも、人間の記憶のシステムですから仕方ないですね。
そして、男女でこのシステムは少し違うと言います
具体的にどう違うかと言うと以下のようになっています。
- 男性は自分の関心ないことについての記憶はすぐ忘れ、関心あるものについては強く記憶する
- 女性はある出来事を覚えるのに感情とセットで記憶する
以上から考えてみると、よくいわれる「男性の方が過去を美化する傾向がある」というのは、過去の特定の出来事に関心がどれくらいあるのかに関係していると言えそうです。
これは個人的な経験による見解ですが、男性の方がいわゆる「こだわり」が強い傾向があります。
こだわりのある分野に関しての記憶なら、きっと相当美しく記憶されているでしょう。
それも思い出す度に現実をゆがめて、極めて美しくなるのですね、、、。
でも、ここで少し考えてみてください。
過去の記憶を思い出しても「嫌な事しかしか思い出せない」というのが人間の脳のシステムだったとしたら、過去を振り返る気力は無くなりますね。
過去を何とか無かったことにして、なるべく過去を無視するように生きようとするでしょうね。
これでは過去から何かを学ぼうとは思わないでしょうね。
そんな視点から見ると、あながち過去を美化するのも悪いこととばかりも言えないかもしれません。
過去の記憶が正しいかはとりあえず置いておくとしても、過去を進んで振り返ろうという気持ちが起こるのはいいことと言えるでしょう。
参考に匂いと記憶のについての記事おいておきます。
2、懐かしさの正体はノスタルジー
さて、遅ればせながら懐古主義の語義をすこし確認いたしましょうか。
では、どうぞ!
懐古主義(かいこしゅぎ)とは、過去を懐かしみ、現在よりも過去の風潮や文化、人物を優れたものと看做す思想・主義のこと。
引用
https://2ch.me/vikipedia/%E6%87%90%E5%8F%A4%E4%B8%BB%E7%BE%A9
はは、、、笑えないくらいに不快だ(笑)。
おっと!失礼!
こんなところでわたしの主観はいりませんな。
さて、この懐古主義の裏には一体どんな心理が潜んでいるのでしょうか?
そのキーワードは
- ノスタルジー -
17世紀末スイスの医師による造語です。
ノスタルジーの辞書的な意味は、「過去への感傷的な思慕」といったところでしょうか。
ノスタルジーの本質は「幼少期に慣れしたしんでいたものへの愛着」といえます。
幼少期に慣れ親しんだ価値観や社会常識、習俗に対して愛着をもっているから、「昔の方がいい」という発想になるのですね。
ここですこし、「元ソシオパス」として一言つけ加えておきたいのですが、ソシオパスやサイコパスは「愛着」というもの自体を持つことがない(厳密にはすこし違うけど)ので懐古主義にはならないという事です。
常に必要なら、ちゅうちょなく古いものを捨て、新しいものを取ります。
その際、古いものを排除することによる第三者の犠牲がどうとか、これまでの思い出がどうとかは一切関係ありません。
過去の思いでとかにすら愛着がありませんからね。
犠牲が出ようが必要なら強行も辞しません。
彼彼女達がみているのは「今」もしくは「今から先」です。
過去は美しくも汚くもなく「ただの事実」であるという事です。
例えば、歴史は「過去の過ち等から現在ないし未来の自分の生活をいかに豊かに効率良くできるかを学ぶ教材」でしかないのです。
そこにロマンとか思いをはせるという発想はありません。
いってみれば、歴史は「単なるデータ」の集積にすぎません。
役に立つかどうかだけが判断の全てなのです。
いうなれば、懐古主義者(ふりをしている者は除く)はそれだけまっとうな人間だという事です。
ある意味、うっとおしいながらも安心できる人達でもあります。
ま、情があるからこそのうっとおしさってことですかね。
なお、歴史のロマンについてはこちら。
3、ノスタルジーのよい面
最近の研究でノスタルジーのメリットが明らかになってきました。
具体的には以下の点で有益であるとのことです。
- 自尊心を高めることになる
- 生きる意味を見つけるのに役立つ
- 孤独に立ち向かうのに役立つ
ノスタルジーには人のメンタルを安定させる効果があるってことですね。
年配の人達が同窓会で旧交を温め、昔話に花を咲かすのもメンタルに良かったという事です。
ノスタルジーのこうした性質を応用した心理療法にライフレビューセラピーというのがあります。
ライフレビューセラピーについてはこちら。
4、ノスタルジーの悪い面
とはいえ、ノスタルジーによる恩恵を得られるかは、思い出す記憶がどんなものであるかにかかっています。
あまり長い時間過去をおもいだして、ネガティブな記憶を思い出してしまうようでは逆効果です。
事実、小規模な研究による結果ではありますが、
「いつもくよくよしている人はノスタルジーの恩恵をうけられない」
というのがあります。
これはいつも嫌な事ばかり思い出している人にとっては、過去を思い出す事は有害になりうるという事を示しているんでしょうね。
そして、ノスタルジーの最も危険な側面は「過去を美化しすぎて現在を見れなくなってしまう」という事です。
この現実逃避に陥った状態の人達が言う言葉が、あなたが大嫌いな「昔はよかった」、「古き良き日本、、、」、「昔はこんなに社会がおかしくなかった、、」なんて感じの戯言です。
このような「現実逃避」にならないためには過去と現在を比べるのではなく、過去と現在を結び付けて考える事が大事です。
例えば、「昔はよかった」で終わらせず、「その後の自分の人生に過去の経験はどのように影響をあたえたのか」という視点で考えてみるのです。
また、昔の経験をおもいだして「もうあんなことは二度とない」などと思うのではなく、その経験が今の自分にどんないいことをもたらしてくれたのか考えましょう。
そう、過去を過去として終わらせたんじゃ人生の貴重な経験がもったいないんですよ。
経験はちゃんと未来に活かしていきましょう。
懐古主義に陥っている人の中には
「もう年だから」、
「老い先短いから先のことなんて考えたくない」、
そんな人もいるんでしょうが、、、
「その気持ちはわかってあげられません」。
理解はできますが、残念ながらわたしとは感性自体が違うんでしょう。
共感することは「不可能です」。
とはいえ、わたしはそれを「悪である」とは言えませんね。
価値観なんて人それぞれですからねえ。
誰が何と言おうと硬いままの思考は硬いまま、早々かわりゃしませんな。
わたしは「どうぞ気が済むまで」としか言えません。
でも、きっといつでも過去を未来へ結び付けようという発想になりさえすれば、偏狭な懐古主義から抜け出せるはずですね。
人間は自分で運命なんて作っていけますから。
まあ、運命なんて後付けですからね。
自分の過去の経験に対する「無理やりな理由付け」ですよ。
偶然が偶然のままじゃ気持ち悪いから、偶然に「運命」なんて大層な名を与えて格上げしてみせているだけ。
マインドはいつも成長を目指していきましょう。
成長マインドについてはこちら。
5、いいものはいい!悪いものは悪い!
ここまで見てきて、懐古主義の本質であるノスタルジーにもいい面と悪い面があることは、わかってもらえたかと思います。
温故知新という言葉もあるように、古の叡智からえるものもあります。
とはいえ、それが絶対でもありません。
過去が素晴らしかったのではなく、「過去にも素晴らしいものがあった」というのが正しいでしょう。
同様に、現在正しいとされている事が絶対に正しいということもありません。
そう、「悪いものは悪いし、いいものはいい」のです。
過去から学ぶべきところは過去から学んだらいいし、現在が正しいならその方向で発展させればいいんです。
全ては「今、未来の人類がより快適であるため」でしょう。
ま、わたしが元ソシオパスだからこそかもしれませんが、やはり過去の文化や歴史が大事なのは「現代の人類の生活を快適にするのに役立つから」です。
歴史自体に価値があるというより、わたしは
「歴史には多大な利用価値がある(国際政治のために歴史をゆがめるのには断固反対)」
からこそ研究を深めて、過去の歴史についてよく知る必要があるのだと思います。
そして、何かを絶対視する発想自体は危険と言わざるをえません。
やはり、過去は現在と未来をよりよくするためにあるのです。
過去に向かって逆行していくことは人類の発展にはつながりませんね。
視線を向けるは常に前、過去を振り返るは「今や未来をよりよくするため」です。
今と未来をよりよくするため、過去と今を結び付けて考えていきたいものです。
おわりに
この記事では懐古主義にもいい面と悪い面があるということについて述べました。
懐古主義の本質は「ノスタルジー」でした。
ノスタルジーの良い面は以下でした。
- 自尊心を高めることになる
- 生きる意味を見つけるのに役立つ
- 孤独に立ち向かうのに役立つ
そして、ノスタルジーの悪い面は、
「過去を美化しすぎて現在を見なくなるという現実逃避におちいること」
でした。
現実逃避をしないためには、過去と現在を結び付けることが大事でしたね。
過去を過去として終わらせず、現在へ繋げていきましょう。
さて、わたしも日に日に年老いて、死という人生のエンディングへと向かってひた歩いていますね。
あと何回、心臓は鼓動するのか、あと何度、朝日の輝きを感じられるのか、、、。
いつか、生命尽きるその日が到来するまで、目は「未来だけを見て」、死に際しても「死後の世界を楽しみにして」人生の幕を下ろしたいものです。
さて、、、、、
、、あなたは?