「こないだティックトックですごくびっくりする動画を見かけたんよね。まあ、逆さになった何の変哲もない普通の人の顔の画像なのさ。でも、次の瞬間画像が逆さから正立の状態になったらびっくりした。、、、だって、目と口が明らかにおかしい形してたんだもん。、、、、逆さになっているときは全然気が付かなかったのになあ、、、不思議だ、、、。」
ふむ、それはサッチャー錯視ってやつだな。
人の顔を逆さにしてみると正しく認識できないっていうことがあるんよねえ。
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「人間の顔は上下反転で別物としてみえてしまう?「サッチャー錯視」」という話です。
今回は以下のような方に向けておおくりします。
- 人の認知の不思議について少し詳しく知ってみたい人
- 雑談で使える何気ないトリビアを探している人
人の顔は普通に見ても逆さにしてみてもそもそも変わりませんよね?
だって、元の顔自体は何も変わっていないですもんな。
しかし、人の顔を上下反転させると見え方が違ってしまうんですよね、実は(正確には認識の仕方だけど、、、)。
今回はそんな顔の見え方の違いについて話題。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
サッチャー錯視とは何なのか?
人の顔の上下を反転させると顔の局所的な特徴の検出が難しくなるんですね。
このような現象のことを「サッチャー錯視(倒立顔効果)」といいます。
、、、といっても、イメージがつかみにくいかと思うので、以下ウィキペディアからの引用してきた画像を見てみてくださいな。
引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E9%8C%AF%E8%A6%96
はい、どうでしょうか?
上掲の上下が反転している男性の画像を見てくださいな。
下段は上段の男性の画像を加工したものです。
まあ、上段の笑顔の男性の顔と下段の改変されてやや機嫌悪そう?になった男性の顔を見比べて「なんか違う気がする」とは思うんですが、いまいち何が違うのかわかりにくくないでしょうか?
でも、ぞれぞれの段の上下反転した倒立画像のとなりの正立画像を見てみるとその違いの原因がすぐにわかるはず。
下段の画像は目や口が上下逆さに反転させられていたんですね。
普通に正立画像を見たら「うわ、、、目と口おかしくね?、、、反転してるやん」と思うでしょう。
そう、上下の反転していない正立画像であれば、すぐにその違いを看破できるんですけど、上下が反転した状態ではなかなかわからないんですわ。
サッチャー錯視とはこういった現象のことなんです。
ちなみに、このサッチャー錯視の名前の由来ですが、英国の首相であるマーガレット=サッチャーさんにその起源があります。
サッチャー錯視は、1980年に心理学者のピーター=トンプソンさんという方によってはじめて実証されました。
その錯視画像が以下。
https://www.buzzfeed.com/jp/kristatorres/thatcher-effect-photos-1
うん、左のサッチャーさんめっちゃおこですな。
こわ。
じゃあ、ラストにごり押し?で他にも少しサッチャー錯視を見てみましょうか。
以下参考動画貼っときマウス。
人間の認知ってめっちゃ不思議なもんですな。
サッチャー錯視はなんでおこるんじゃ?
サッチャー錯視が何か分かったところで、なぜサッチャー錯視が起こるのかその仕組みについてみてみたいと思います。
実は、サッチャー錯視は昔から心理学の世界でよく知られている現象ではありましたが、その仕組みについては詳しくはわかっていませんでした。
しかし、最近になってこのサッチャー錯視が起こる仕組みについて解明が進んできた模様。
例えば、サッチャー錯視に関しての研究としては以下の記事で取り上げられている脳活動をfMRI(機能的磁気共鳴画像法)で詳細に調べたものがあります。
参考
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/03/20150312_04.html
この研究の概要は以下の通り。
- 計20名の成人男女が被験者
- 被験者たちに正立顔と倒立顔の写真を見せて脳活動をfMRIで測定
その結果、正立顔の認知に際して脳の顔認知部位が活性化すると同時にその周囲の物体を認識する神経細胞を活動していたとのこと。
その一方、倒立顔を認知する際にはこのような抑制が行われていなかったといいます。
つまりは、「顔なのか物体なのかわからん!」というあいまいな状態になっていたってことですな。
※顔の認知機能に関しては通常、他の物体認知機能とは独立し右脳側頭葉の1センチ立方ほどの狭い部位が担っているという。
要するに、正常な顔認識には
「顔認識に必要な部分だけを活動させる」
のが必要だってことです。
もし、顔認識に不要な部分の活動が抑制されないと「人の顔が顔には見えないで単に物体に見える」といった状態になる可能性があるわけですな。
より詳しくは以下の記事からどうぞ。
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2014/nr20141010/nr20141010.html
3、サッチャー錯視が起こらない人もいる
実は、サッチャー錯視が起こらない人というのも存在しているんですね。
その代表的な例が「相貌失認」とういう症状です。
相貌失認とは、、、
脳障害による失認の一種で、特に「顔を見てもその表情の識別が出来ず、誰の顔か解らず、もって個人の識別が出来なくなる症状」[2]を指す。 俗に失顔症とも呼ばれる。 頭部損傷や脳腫瘍・血管障害などが後天的に相貌失認を誘発する要因となる
引用
はい、すごく雑に言うと「あれ?この人笑ってんのかな?怒ってんのかな?、、、これは誰かな?」みたいになってしまう症状ってことですかな(くそ雑ですいません)。
上掲の定義のとおり相貌失認については後天的な脳機能障害によるものと先天的なものがあるといいます。
※先天性の相貌失認は発症率2%とかなり低く推定されている。
上述の研究によるなら相貌失認の一因は、「脳の顔認識に使われる領域以外の周辺部分の活動が抑制されていないから」ってことになるでしょうね。
※人間の顔認識に使われる領域は側頭葉・後頭葉に遍在する「顔領域」だという。
おわりに
今回は「人間の顔は上下反転で別物としてみえてしまう?「サッチャー錯視」」と題しておおくりしました。
サッチャー錯視とは
「人の顔の上下を反転させると顔の局所的な特徴の検出が難しくなる現象」
のことでした。
われわれが当たり前と思っている認知機能も実は思いもよらない特性を持っていたりするんですな。
人間の認知とは奥が深いもんです。
なお以下の記事では人が、どうやって「人が人の顔に美や魅力を感じるようになるのか」について考察してみたんで、話のネタにでもどうぞ。
参考記事等
では!
参考
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2014/nr20141010/nr20141010.html
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/03/20150312_04.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/apr/22/4/22_4_264/_pdf/-char/ja