『マガーク効果』感覚はお互いに結びついている?人間の感覚の不思議。

どこかで聞いたことあるんだけど、人間ってすごく視覚に頼って生きているらしいね。なんか、視覚からえられる情報って他の五感のどの情報よりも人間の認知に影響力を及ぼす気がするわ。人は見た目が9割なんて本も出ていたことあり位だし、、、。」

まあ、せやね。

たしかに、人間の認知において視覚が及ぼす影響は凄いものがあるよねえ。

オニギリス!

脱マンネリストのオニギリです!

今回もよろしゅう!!

今回の話題は「『マガーク効果』感覚はお互いに結びついている?人間の感覚の不思議。」という話題です。

今回は以下のような方に向けておおくりします。

こんな人が読むと役に立つよ

人間の認知について見識を深めたい人

マガーク効果について知りたい人

何か話のネタにできるトリビアを知りたい人

人間の認知にはまだよくわからないことが多いです。

今回取り上げるマガーク効果もそのような人間の認知の不思議を表す面白い現象の一つ。

少しばかり人間の認知の不思議を探ってみましょう。

では、ゆるりとおおくりします。

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マガーク効果ってなんぞ?

マガーク効果とは端的にいうと、「矛盾した口の動きの映像が音声の聞こえ方を変容させてしまう現象のこと」です。

マガーク効果はマガークさんとマクドナルドさんによって報告されたもので、具体的に言うと例えば「ガ(ga)」と発音している映像に対して「バ(ba)」と発音している音声を組み合わせて視聴することで「ダ(da)」と発音しているように聞こえるという現象なんですね。

人が他者との対話で相手の声を聞き取るために何が重要かと聞かれると、普通は聴覚情報の重要性にばかり目がいくかと思います。

しかし実際には相手の声を聴きとるにあたって、聴覚情報だけでなく視覚情報も大事なんです。

まあ具体的に言うなら、相手の話していることを理解するにあたっては、その相手の発している「音声」だけを聞いて「何を言っているか理解している」ではなく「相手の口の動きを見て何を言っているか理解している」という面もあるということ。

いわゆる口の動きだけから何を言っているか読み取る「読唇術」というものがありますが、わたしたちもあそこまで洗練された技術ではないもののその初歩的な技術を日ごろから使っているといえるのかもしれません。

なお、マガーク効果は「視覚情報と聴覚情報の間の矛盾」を脳が言語処理を行う前段階で自動的に処理するので、それを体験している本人は矛盾が生じていることに気が付けないといいます。

、、、まあ、実際に体験してみるとわかりやすいと思うので、ユーチューブで探してきた以下の参考動画を見てみてくださいな。

参考動画

そして、マガーク効果が起こる要因としては以下のようなものが考えられるといいます。

  • 発音の明瞭さ
  • 年齢(大人の方が子供よりもマガーク効果が起こりにくい)
  • 性別(女性の方が男性よりもわずかにマガーク効果が生じやすい)
  • 言語の差(後で詳述)

日本語母語者だとマガーク効果が生じにくい?

さて、このマガーク効果を発見したのは上述した通りマガークさんとマクドナルドさんという英語圏出身の方たちなので、ある意味当然ですが「英語を母国語とする人たちに対しての実験」でした。

となると、勘のいい人は思うはずです。

「てことは、マガーク効果は言語によって生じやすいとか生じにくいってことが起こるんじゃね?」等と。

はい、事実「日本語母国者ではマガーク効果は生じにくく視覚情報を利用する程度が低い(音声が明瞭な場合)」ということが言われています。

この事実はどの言語を母国語としているかによって、視覚情報をどれだけ利用するかが変わってくるということを示唆するものといえるでしょう。

これは結構びっくりする示唆ではないかと思うんですよねえ。

日本人はマガーク効果が生じにくい??

上述したように日本人にはマガーク効果が生じにくく、聴覚に依存している傾向があるといえます。

つまり、視覚的に「この人は『ガ』と発音してそう」とおもっても「音声で『バ』」と聞こえていれば音声情報の方を優先して『バ』と認識するってことです。

では、なぜ日本人は音声情報に依存する傾向にあるのでしょうか?

これについて以下の論文では「日本語と英語の音韻構造の違い」を指摘しています。

参考

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/18/3/18_3_387/_pdf

要は日本語には音素、つまり母音と子音の種類が少ないのでそれらを聴覚情報のみで判別するのが英語よりも比較的容易であるということです。

日本語と英語を比べた場合、日本語の母音は「a,i,u,e,o」の5つですが英語は14種類もあります。

子音に関しても英語の方が日本語よりもその種類は多いです。

つまり、日本語話者は音素同士の判別を行うのために相手の口の動き等のような視覚情報を補助的に使わなくてもそんなに困らないってことですね。

音で聞いて「あ、こう言ってんのか」てすぐにわかるところを、「でも、すこしまて。もしかしたら間違ってないか?」なんて疑いを持って相手の口の動きを確認する必要はあんまりないでしょう。

そして、英語の方が日本語に比べて発音自体がかなり複雑なので、視覚情報を頼りにするメリットが大きいこともあるとのこと。

英語の場合は音としてはよく似ているけども、口の形を見れば容易に判別がつく音素があるんです(例:bとv、fとθ等)。

わたし自身がそこそこ英語を教えてきた経験からもこれについては納得がいきますね。

英語は個別の音素だけみても日本語よりも複雑なのは確かですが、一番厄介なのは文章を発音する際には「単語と単語が連結して音声変化を起こす」という点です。

例えば、アメリカ英語の場合

「call it a day(~仕事(等)を終わりにする)」という熟語は日本人的な感覚だとおそらく

「コール イット ア デイ」

と発音すると思うでしょう。

しかし、実際には

「コーリ ラ(厳密にはdとlの中間の音) デイ」

等と発音されたります。

英語は音声変化が実に複雑で多様。

正直、英語の場合は聴覚情報だけでなく視覚情報も頼りにしないと理解が正確になりにくいというのは個人的な経験から言っても納得いく気がするんですよねえ、、、、。

ま、これはあくまで私的な経験をベースにした話ですけどね。

おわりに

この記事は「『マガーク効果』感覚はお互いに結びついている?人間の感覚の不思議。」と題してお送りしまいした。

人間の知覚は相互に複雑に影響しあっているもの。

わたしたちは相手と対話する際、聴覚情報だけでなく視覚的な情報も頼りにして対話しているんですね。

ただし、日本語母国語とする人に関しては(おそらくこのブログの読者の98%以上だと思う)は視覚情報をあまり頼りにしていないと考えられます。

人間の知覚は実に複雑怪奇!

そして、知的好奇心を刺激してやみません。

本当、いろんな意味で人間って面白い!

では!

参考記事等

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