「どうにも自分は人間関係で損ばっかしてるわ。なんだかんだ、人から高圧的に出られるということをきいてしまうなあ。何でこんな損な役回りばっかり押し付けられるんだか、、、嫌だなあ、、、。」
うーむ、そうだなあ。
自己犠牲を強いられるのはキッツいよなあ、、、。
オニギリス!
脱マンネリストのおにぎりです。
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「「応報戦略と主人と奴隷」やられたらやり返せ?協力はどう引き出す?」という話です。
今回は以下のような方に向けておおくりします。
- 応報戦略について知りたい人
- 人生で賢く立ち回りたい人
人の頼みを断ることができない人は結構いると思います。
正直、言ってそういう人たちは「いいように使われている可能性がある」といえるでしょう。
まあ、状況にもよりますが、基本的に自分の負担になってしまうなって思うような依頼は「出来ません!」と正直に言わないとアカンです。
まあ、少しでも世渡り上手になって、ストレス少なく生きていきたいよねえ。
て、ことで、今回は「上手に快適に生きるためにはどんな戦略をとったらいいのか」っていうのについて少し考えてみたいと思いマウス。
なお、あらかじめ言っておきますが、わたしはゲーム理論の専門家でも、まして数学科卒でもないので記事内容に誤解や間違い等がある場合もあるかもしれません。
「これ本当かなあ、、、」みたいに気になる方は各自参考文献等を参照して確認してくださいな。
頼んますね。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
人間関係はゲーム理論で考えられる
この社会は人と人との相互関係の上に成り立っています。
そして、人と人とのやり取りでは、常に「協力するか、裏切るか」みたいな二択を迫られますね。
まあ、商談の現場なんかが顕著ですな。
このような「協力するかしないかの判断」を合理的に考えるときに、ゲーム理論というものが役立ちます。
ゲーム理論とは、自然界や社会における複数の主体が関わる意思決定問題や行動相互依存的状況といったものを数学的モデルを使って研究する学問分野です。
そして、現在、このゲーム理論は経済学の中心的役割を担う分野とされており、その応用分野は軍事や政治と多岐にわたります。
「数学的モデルを使う」という事から察せられるように、ゲーム理論はかなり数学的な色彩の強い学問です。
ちなみに、ゲーム理論はあの「悪魔の頭脳」との異名をとった天才数学者ジョン=フォン=ノイマン氏と経済学者のオスカー=モルゲンシュテルン氏の共著書『ゲームの理論と経済行動』により誕生しています。
囚人のジレンマと応報戦略
あなたは「囚人のジレンマ」というものをご存じでしょうか?
割と聞いたことがある人は、いるかもしれません。
囚人のジレンマとは、ゲーム理論におけるゲームのモデルの代表例です。
このゲームモデルは以下のようなもの。
ある犯罪に関する容疑で逮捕された共犯の容疑者2名が、意思疎通不可能な状況下でそれぞれ別の部屋で尋問を受けている。
2名がとりうる選択肢は「自白する」か「自白しない」かの二つ。
そして、自白の状況によって、その後に課せられる刑罰の軽重に以下の様な違いが出る。
- 1人が自白し他方は自白しない:自白したほうは無罪で自白しない方は懲役10年
- 2人とも自白しない:懲役2年
- 2人とも自白:懲役5年
もしも、お互いにの利益を最大化しようと思ったら、「2人とも自白しない」という選択肢を2人がとるのがベストといえますね。
二人とも自白しなければ、懲役の期間が最短の2年ですみます。
しかしこのゲームにおいて、容疑者本人の利益だけを考えたら、「自白する」という選択をとりたくなるもんです。
「独りだけ抜け駆けすれば、ワンチャン無罪になんじゃね?」て考えてもおかしくないですよね。
でも、もし片方が抜け駆けした場合に、「相手も自白」していたなら懲役5年になってしまうので「2人とも自白しない」場合の懲役2年に比べて損をすることになります。
つまり、容疑者各人が自分にとって一番有利な選択肢を選んだ場合は、協力した時よりも悪い結果になってしまうんですよねえ。
囚人のジレンマの「ジレンマ」とは、こういった
「協調した場合に得られる利益の最大化と個人の利益の最大化という2つによる板挟み」
のことを言うわけです。
うーん、なんか頭痛がしてくるほど悩ましい問題ですなあ。
ちなみに、この「個人利益の最大化VS集団利益最大化」は経済学的な文脈から捉えると、「パレート最適VSナッシュ均衡」って解釈できる模様。
※パレート最適とは、誰も不利益を被らず全体の利益が最大化された状態。もし、それ以上の利益を出そうとするなら犠牲者を出すことになる状態ともいえる。
※ナッシュ均衡とは、自分の選択を変えると利益が得られないような状態。つまり、お互いが現状から変わる必要がない安定状態ともいえる。
で、この囚人のジレンマにおいて2人の囚人がゲームの繰り返し回数を知っている場合には、最終回のゲームから順に後退帰納法を用いて全てのゲームにおいて「自白する」を選ぶと集団の利益が均衡になるそうです。
※後退帰納法とは、終点に近い意思決定点から順に解いていくことを意味する。
しかし、2人の囚人がゲームの繰り返し回数を知らない「無限繰り返しゲーム」においては、いつ終わるかがわからないために協調する可能性が出てくるんですね。
で、協力関係の構築という課題への考察を深める目的で、政治学者のアクセルロッドさんが囚人のジレンマの「無限繰り返しゲーム」を用いた競技会を企画するなんてことが起こります。
この競技会では各分野の社会科学者からコンピュータ・プログラムを募って対戦させました。
で、その結果、優勝したのが「応報戦略(しっぺ返し戦略ともいう」という戦略だったんです。
応報戦略はすごく簡潔に言うと、
「基本的には協調的だけども裏切ってきたら、同程度にやり返す」
というもの。
つまり、「普段は人に分け隔てなく親切だけど、舐めた真似したらやり返す」てことかな?
んー、なんかヤクザの組長みたいだ。
なお、最近はこの応報戦略の亜種として
「基本的には協調的だけども裏切ってきたら、3回に一回は同程度にやり返す」
というものがあるようです。
まあ、この3回に一回はやり返すバージョンの方が少し現実的ですよね?
だって、もしかしたら一回目の裏切りは「相手の勘違い」かもしれませんし、まあ2回目までなら何となくたえれそうです。
しかし、「仏の顔も三度まで」なんていうくらいですし、さすがに三回も裏切ってきたら「悪意あり」と解釈してよさそうですな。
てか、そう考えると昔の人は凄いね、体感で「3回」て数字にたどり着いていたのだから、、、。
3といえば、三国志の話で有名な「三顧の礼」ってものもあったわな。
「主人と奴隷」戦略の方がいい?
上述した応報戦略を用いたプログラムは囚人のジレンマの繰り返しゲーム競技会で、2度優勝しています。
そう、その2度目までは応報戦略が協調関係を築く上での「最善の戦略」だったのです。
しかし、この無敗の王者は2004年開催の競技会において「主人と奴隷戦略」に敗退してしまいました。
この「主人と奴隷戦略」はイギリスのサウサンプトン大学のニック=ジェニングズ教授と同大学博士課程に在籍していたゴーパル=ラムチャーンさん達に率いられたチームによるものです。
※サウサンプトン大学チームは、大会に60のプログラムを参加させていた。
主人と奴隷なんていうとかなり物騒な感じがしますが、この戦略の概要は以下のようなものだといいます。
あらかじめ決められた順序のパターンで協調・裏切りを5回~10回出して、相手が自分たちチームの仲間かいなかを判断する。
「相手が仲間でないと判断された場合」
常に裏切りを出して出来る限り対戦相手の点数を下げるよう努める
「相手が仲間と判断された場合」
・奴隷の役割が割り振られているプログラムは、常に協調を出す
・主人の役割が割り振られているプログラムは、常に裏切りを出す
うぬ、、、、この主人と奴隷戦略って正直「組織としての振舞い」には適用できるものの、「個人がどう振舞うべきか」についてはあまり有益な示唆を与えてくれている気がしませんねえ、、、。
現実において主人と奴隷戦略を適用しようとしたら、主人と奴隷の役割分担が事前の取り決め道理にいくとは限りませんね。
組織単位で考えるなら、この主人と奴隷戦略は一考の価値ありって感じですなあ。
ま、個人単位で考えるなら、応報戦略の亜種のほうがいいですね。
おわりに
この記事は「「応報戦略と主人と奴隷」やられたらやり返せ?協力はどう引き出す?」と題しておおくりしました。
「囚人のジレンマ」とは、ゲーム理論におけるゲームの代表例です。
「囚人のジレンマ」の繰り返し回数が無限である場合、協力関係を築いていくにあたって、従来は「応報戦略」が有力とされていましたが、最近になって「主人と奴隷戦略」の方が有効な可能性が出てきました。
ただ現実的な視点に立った場合、個人単位での最適戦略は
「基本的には協調的だけども裏切ってきたら、3
回に一回は同程度にやり返す」
という応報戦略の亜種に落ち着くと思われます。
まあ、応報戦略にのっとって自己犠牲をしないように上手く生きていきたいもんですな。
なんか、この記事の内容は数学や経済学をガチっている人達からしたら「なーに、適当なこと言ってんじゃ?われ」と恫喝されるようなものかもですが、堪忍え、、、。
では!
参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E
file:///C:/Users/arcan/Downloads/IPSJ-GPWS2007032.pdf
https://mas.kke.co.jp/model/prisoner/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E4%BA%BA%E3%81%A8%E5%A5%B4%E9%9A%B7
参考記事等