「人の行動や心理を生物の進化って観点から見てみたら、結構納得いくこと多いよなあ。やっぱり、人間も生物の一種だから進化という観点から考えたら理解も進むよな。おかげで女性が男性とは違う考え方をするっていうのも理解できてきたわ。」
ふーむ、まあ進化って観点から考えると理解が進むのはわかるけど、それで理解したことにしてしまうのもどうかなあ、、、。
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「進化心理学ってなんですのん?人の心理は全て生物の進化で説明できる?」という話です。
今回は以下のような方に向けておおくりします
- 進化生物学が何かを大まかに知りたい人
- 人の心理を進化の観点から少し覗いてみたい人
- 早速ですが進化生物学って知っていますか?
最近、ネットですごくよく聞くような気がしますねえ。この「進化心理学」という言葉(もしかして、気のせい?)。
進化心理学とは文字通り、生物進化の観点から人間の心理について理解を深めていこうとする学問なんですね。
進化心理学の観点から人間の心理を俯瞰してみるのも一興かと思います。
人間の心理について少し変わった見方ができるようになり、より理解が深まるんじゃないかと思ますね。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
1、進化生物学とは何なのか?
進化生物学とは人の心理メカニズムの多くが進化生物学的な適応であると仮定して、人の心理を研究するアプローチのことであり、適応主義心理学などとよばれたりもします。
なお、人間行動心理学会は進化心理学を
「社会学と生物学の視点から現代的な進化心理理論を用いて感情、認知、性的適応の進化などを含めた人間の本性を解明する学際的な学問」
と位置付けており、その研究対象には感情、認知などの他に宗教や道徳、芸術、病理なども含まれるといいます。
参考
https://www.hbesj.org/
そして、進化心理学は「神経系は、動物の進化環境に適応して働く」というものを大前提として、人の心理をあらゆる問題に対応する汎用システムではなく個別の問題に対応する「モジュール」の集合体としてとらえるとのこと。
※モジュールとはシステムの一部を構成するひとまとまりの機能を持った構成要素。
このモジュールの具体例としては、「裏切者検出モジュール」というものがあります。
これは
「人間が生存するには協力が必要なので必然的にズルをしたりする人を見破る能力」
に相当するものです。
なお簡単な心理学的課題を用いて被験者にさまざまな規則への違反を発見させる実験を行うと同一の論理構造の課題だったとしても,社会契約の文脈が与えられた場合にはより正確に違反が発見されるといいます。
※社会契約とは政治学や法学において、ある国家とその市民の関係についての契約を指す用語。例:法律。
とまあ、ここまで七めんどくさくいろいろ言ってきましたけど、進化心理学ってめっちゃ雑に言うと、人間も生物の一種であるとの認識に立ち返り人間の心理現象や心理等を、
「自分の遺伝子を残すために必要だったからそうなってんじゃね?」
という立場から考察、研究する学問って感じですかねえ。
すんごい頭悪そうな総括の仕方ですんもはん。
2、進化心理学にも批判がある
進化心理学はとても守備範囲が広いため、それによりいろんな心理現象を説明することが可能になります。
例えば、よくネットで恋愛心理等について検索をかけると、進化心理学的観点から書かれた記事に出くわすことは非常に多いです。
例えば、そのような記事では「女性は子供と自分を庇護してくれる存在を求める」なんて感じの記述をよく見かけますね。
確かに、この記述はなんとなく納得がいくものですし、間違っていない気もします。
ただ、進化心理学には批判があるんです。
その批判には例えば、以下のようなものがあるといいます。
- 「戦争すること」が人間の本性であるなら、戦争を認めざるを得なくなったり政治的目的に利用される懸念がある
- われわれは進化適応環境(EEA)について何も知らないのに、進化心理学はEEAを仮説検証の根拠としており進化心理学は科学と呼べない(古生物学者スティーヴン=グールド、古人類学者イアン=タッタソールからの批判)
- 進化心理学はいかにもそれっぽい話を作り上げることに注力している
- 予測可能性がなければ重要な科学とは言えない
- 人間の生活環境が他の生物種の生活環境よりも早く変化しているという仮定には根拠がない
※進化適応環境(EEA)とはは生物の適応を形作った選択圧の統計的な複合物。進化心理学者達は通常、更新世の石器時代の環境を強調する。
まあ、確かになってものをあると思われます。
よく言われる「男性は自分の遺伝子をばらまこうとする」なんてことが進化生物学では言われますが、これを根拠にしたら「浮気なんて当たり前だ」という話になりますね。
これが当たり前の認識になったらこれまでの人権に関する歴史上の数多の苦闘が水泡に帰すというものです。
ええ、控えめに言っても「時代に逆行している」といえます。
「今の人権意識が絶対に正しい」とまでは言いませんし思いませんけど、少なくとも今までの数限りない試行の末にできてきた認識です。
それを安易に「これは本能的に当たり前だから問題ではない」なんて不問に付すのには大いに問題があるでしょう(ま、そんな風になることはないだろうけどね)。
これが戦争についてならなおのこと。
そして、わたしたちは「今まで人類が自然に適応してきた結果として今がある」と思っていますが、進化してきた過程や実際にどのような環境があってそれにどのように適応してきたかはよくわかってないことも多いんですね。
タイムマシンでもあれば別でしょうけど、化石やらなんやらだけからその当時の自然環境を知るには限界があります。
正直、素人判断での見解ではありますが、かなりそのような状況で「進化の結果こういった心理傾向になった」と断定するのは難しい場合もありそうな感がありますねえ、、、。
進化心理学をより深く学びたい人は以下の書籍を読んでみたらいいと思います。
参考
3、なんでも、進化のせいにしちゃあいけねえよ
進化心理学に「進化心理学はいかにもそれっぽい話を作り上げることに注力している」との批判があるのも個人的にはなんとなくわかる気がします。
もちろん、わたし自身は進化心理学の専門家ではないのでまともな批判ができるわけではないので、ただの所感に過ぎませんが。
進化心理学では「このような環境に適応するために人間はこう考えるように進化してきた」みたいにいいますが、その主張の正しさをどのように担保するのかが難しい気がします。
へたをすると、過去に観測された例外的な事例を何らかの個人的な思惑によりピックアップして「この心理は進化の結果である」なんていうこともできそうです。
つまり、自分に不都合なことや説明の難しい心理傾向等を全部「進化のせい」にだってできるんじゃないっかってことなんですね。
「自分が説明したい心理現象等」を立証するために有効そうなデータだけをもってきて、それを根拠に其れらしいストーリーを組み立てて、「これは進化の結果です」と言い張ろうとする輩もいっぱいいると思うんです。
まあ、このように自分に都合のいいデータばかりを引用するっていうのはどの分野でも少なからず行われているとは思いますけど、進化心理学ではこういったことがすごく起こりやすそうな気がします。
だって、上述の批判にあったようにわたしたちは「EEAについてよくわかっていない」のかもしれませんから。
まあ、結局何が言いたいかっていると、「何でも進化のせいだといったらあかんね」ということですな。
もっとも、現代の進化心理学の専門家の方々はしっかりとした根拠に基づいて研究を重ねていらっしゃると思うので、わたし風情がこんなこと言うのはおこがましいんですけどね。
おわりに
この記事は「進化心理学ってなんですのん?人の心理は全て生物の進化で説明できる?」と題しておおくりしました。
進化心理学とは、人の心理メカニズムの多くが進化生物学的な適応であると仮定して、人の心理を研究するアプローチのことであり、適応主義心理学などとよばれたりもしています。
なんかよくわかんない心理現象について、「これって進化の結果やねん」て言われると、「ほー、なるほど」みたいになりそうな感じがしてしまうこともあるでしょう。
もっとも、進化心理学は別にペテンでもなんでもなく立派な科学(だと私は思う)であるので、こんな風になんでも「進化の結果」にしたりはしません。
ですけども、進化心理学で「Aとは進化の結果よん」といわれていたとしても、それはあくまで「一つの見方である」と言いうことには留意しておきたいところです。
そう、あくまで心理を「進化という観点から見て理屈付ける」ものだということは心しておきましょう。
でないと、進化の観点から心理を考えようとばかりするようになり、思考が偏ってしまうかなって思います。
まあ、余計なお世話ですが、あくまで「一つの見方」ということに注意です。
では!
参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6#:~:text=%E9%80%B2%E5%8C%96%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%EF%BC%88%E3%81%97%E3%82%93%E3%81%8B,%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%80%82
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/keywords/40/02.html