「なんか思うんだけど、わたしっておかしいのかな?家の近くの鮮やかな赤いポストが朝学校に行くときにはちゃんと赤く見えてるのに、夕方に帰ってきてみると暗くてどんよりした赤色に見えるのよ。あと近所のスーパーの若干くすんだ青い看板が夕暮れ時になると心なしか少し鮮やかに見える、、、。」
いや、それはおかしくないっす!!
それは人間なら普通に起こっている現象だわ。
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回は「『プルキンエ現象』日が暮れると青いものは明るく見え赤いものは暗く見える?」というは話題です。
今回は以下のような方に向けておおくりします。
- 人間の知覚の不思議を探求したい人
- 話のネタになるトリビアを探している人
- プルキンエ現象について知りたい人
人間の知覚って非常に不思議です。
あなたは赤い色のものが夕暮れ時になったら朝見たときよりも暗い色に感じたり、青い色のものを夕暮れ時に見たら朝みたときよりもの明るく感じたりしたって経験はないでしょうか?
なんで、こんな変なことがおこるんでしょう?
ま、生物を高校で勉強したことある人なら「ははあ、あの細胞がかかわっているんだろうなあ」て思うかも。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
プルキンエ現象とは?
プルキンエ現象(移動)とはチェコの生理学者であるプルキンエさんによって発見された
「暗くなってくると青や緑などといった短波長の色が明るく見えるようになり、一方で赤などの長波長の色が暗く見えるようになる現象のこと」
です。
波長が長いとか短いということについてはあとで言及しますので、ここでは「あ、ふーんそうなんだ」程度で済ませてくださいな。
てか、「プルキンエ現象って何なん?」て聞かれたら、「えーと、暗くなってくると青とか緑が明るく感じられる一方で赤が暗く感じる現象だよ」て答えるくらいで別にいいでしょうね。
波長のことは多分普通は言及しなくておけです。
まずは暗順応と明順応について確認
プルキンエ現象がなんで起こるかについて見ていく前に、人間の目が光にどう反応するのかその仕組みについて少しだけ補足しておきたいと思います。
おそらく、高校で生物を習っていたことある人ならあわかっていることでしょうけど、目とは光刺激を受け取るセンサーであり、その刺激は網膜にある以下の2種類の細胞で感知されます。
- ・錐体(すいたい)細胞:先端がとがった形をしており光に対する感度は低め。色を判別できる。
- ・桿体(かんたい)細胞:棒状の形をしており、光に対する感度が高め。ただし、色を判別できない。
引用
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%A6%96%E7%B4%B0%E8%83%9E
そして、明るいところから急に暗いところに入って最初は何も見えないが徐々に慣れて見えるようになるなんてことを経験したことがあると思いますが、この現象は上記二つの細胞の働きがかかわっています。
暗いところから明るいところに慣れることを明順応、明るいとこころから暗いところになれるのを暗順応というんですな。
で、これらの順応について簡単にまとめると下図の通り。
順応の種類 | 作用する細胞の切り替え | ロドプシン | 完了する時間 |
明順応 | 桿体→錐体 | 分解 | 40秒~1分 |
暗順応 | 錐体→桿体 | 生成 | 30分~1時間 |
※ロドプシン(視紅とも)とは光を受容するために特別に分化したタンパク質。
明順応と暗順応ではすごく所用時間に差がありますねえ。
やはり、壊すより作る方が時間かかるってことなのかな?(クッソ雑)
なんでプルキンエ現象がおこるん?
さて、ではいよいよプルキンエ現象が何で起こるのかについて切り込んでいきマウス。
※以下明るい場所のことを「明所視」、暗い他所のことを「暗所視」と呼びます。
光とはそもそも電磁波の一種なので「波長」が存在し、その波の感覚の違いによって、わたしたちは可視線に対してその波長帯を青、緑、赤の色の組み合わせで捉え「色の違いを感じている」んですね。
※可視線とは人の目でとらえられる電磁波のこと。なお紫外線や赤外線は可視線ではなく不可視線。
で、色の波長については赤は600~750nm、青や緑は450~570nmだと言われているそうですな。
赤の方が長いんですね。
上述したように網膜には錐体と桿体の2種類の細胞がありましたが、桿体細胞は暗所視で機能しますが色の判別はできません。
また、桿体細胞は短波長に対する感度が高いんですね。
これがプルキンエ現象の原因に関わっています。
明所視から暗所視へ移行する際、機能する視細胞が色の判別ができる錐体細胞から桿体細胞に移行するため長波長である赤色を判別しにくくなるので相対的に赤色が暗く見えてしまうわけです。
対して、青色や緑色のような短波長の色は桿体細胞の感度が高いお陰もありより明るく見えるということになりますね。
例えば、同じ明るさの青と赤色でも暗所視ではどちらも灰色に見えるんだけど、青の方が明るい灰色に見えるなんて現象が起こるんですな。
プルキンエ現象が起こる裏側にはこういったメンドクサイ仕組みがあったわけです、、、。
身近にもあるプルキンエ現象の応用
実はプルキンエ現象はわたしたちの身近にもかなり応用されているんですね。
例えば、青地に白い文字で書かれた案内標識は暗いところでもとても読みやすかったりします。
事実、夜間でも見やすいようにするために道路標識は青かったりするんですな。
こういった細かい工夫がなされているとどことなく、「ああ、もの作っている人も色々と相手の立場になって考えているんだなあ」みたいにすこーしだけあったかい気持ちになったりするかもですな。
あと一説に、あの新選組の羽織が新選組の羽織があさぎ色なのには夜間でも仲間の姿を視認できるからというものがあるといいます。
経験上、緑や青の方が暗い時に視認しやすいってことに気が付いていたのかもしれませんねえ。
こういった視点で歴史を見るのも面白いですな。
プルキンエ現象って名前だけ聞くと「めっちゃ、めんどくさそう、、、知っても役に立ちそうにないやん、、、」て思いそうなもんですが、身近にどんな風にこの現象が応用されているかを知ると結構面白いもんです。
おわりに
この記事は「『プルキンエ現象』日が暮れると青いものは明るく見え赤いものは暗く見える?」と題しておおくりしました。
今回はすこーしめんどくさい説明が続く退屈な感じの内容になったかもしれません。
でも、大丈夫!
細かい理屈は抜きにして「プルキンエ現象!」といったら、「暗いとこでは赤は暗くなって青は明るく見えるべ」て感じで押さえておけばオッケーです。
まあ、今日から身近なプルキンエ現象を探してみましょう。
では!
参考
https://psychoterm.jp/basic/perception/purkinje-phenomenon
http://www.hikariiku.com/mariot-club/eye/eb/index.htm
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%A6%96%E7%B4%B0%E8%83%9E
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%B3
参考記事等
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