サイコパスの常守朱が強メンタルなのは脱フュージョンできてるから?

「アニメのサイコパスってめっちゃ楽しい!!でも、同時に怖くもあるよね。シビュラシステムとかマジ鳥肌もんだわ、、、。サイコパスシリーズの第一期と2期のヒロインだった常守監視官よくメンタルブレイクしないよな、、、あんなに恐ろしい目に散々あっているのにさ、、、、マジ超人かよ。」

確かに、、、よくあんな目にあって犯罪係数があがんないわな、、、、まじでただもんじゃねえ、、、。

オニギリス!

脱マンネリストのオニギリです!

今回もよろしゅう!!

今回の話題は「サイコパスシリーズのヒロイン常守朱は脱フュージョンしているからメンタルブレイクしないんじゃないか?」という話です。

あなたはアニメ「サイコパス」を知っているでしょうか?

アニメサイコパスの舞台は西暦2112年の日本。

基本的なコンセプトに近未来SF警察も群像劇の3つを据え、張り詰める緊張感ある世界観において非常にハードでスリリングなストーリーが展開されます。

本作のヒロインである常守朱は、表向きには平和と調和を大いに謳歌する社会の中に潜む大いなる矛盾や暗部に真っ向から対峙しつつも心を曇らせず人を信じ強くあろうとし続けます。

常守朱のこの矛盾を飲み込んだうえで自分自身のぶれない心を持つという姿勢には心理療法ACTにおける「脱フュージョン」の考え方があるのかもしれないと思うんですね。

おそらく、常守朱のこの姿勢こそこの現代社会を強く、またストレス少なく生きていくヒントになるんじゃないかと思います。

今回は彼女の劇中での活躍からこのストレスフルな社会を生き抜くためのすべを学んでみましょう。

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この記事では熊野宏昭さん著「新世代の認知行動療法」を参考にしています。

参考

では、ゆるりとおおくりします。

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サイコパスの世界をまずは概観してみる

「サイコパス」の舞台は西暦2112年の日本。

そこでは人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測、それを数値化する機能を有する「シビュラシステム」が導入されています。

そのような社会における人々の理想は「有害なストレスから解放された理想的な人生を送ること」。

人々は上述の数値を「psyco-pass」と呼び習わし、それを指標として生活しています。

その中にあって、特に注目に値するのは「犯罪係数」という数値。

この数値こそこの物語を語るうえで欠かせないものです。

犯罪係数は犯罪に関しての数値であり、例え現実に犯罪を犯しておらずとも規定値を超過している場合には「潜在犯」として裁かれる、、、。

具体的に言うなら、犯罪係数による処置は以下みたいになっています。

  • 0~99:健常者であり処置なし
  • 100~299:犯罪を起こす可能性があり社会からの隔離、セラピーによる更生の必要あり。ドミネーターのパラライザーモードでの捕縛を推奨。
  • 300~:セラピーによる社会復帰は困難。ドミネーターのエリミネーターモードによりその場で殺処分。

※犯罪係数の最高値は東金朔夜の832

しかし、いかなるシステムも完全無欠ではありえない。

このような管理社会にあっても犯罪はおこるのです。

そこで発生する犯罪を鎮圧するため、厚生省管轄の警察組織である「公安局」に所属する刑事たちはシビュラシステムと有機的に接続する拳銃「ドミネーター」を駆り治安維持活動に邁進するわけです。

「サイコパス」はこのようなジョージオーウェル著の「1984」に通ずるようなある種のディストピア的監視社会の物語、、、。

私的な印象になりますが、「人間性を喪失した社会とそれに伴う心の葛藤の物語」なんていいかえてもいいかもしれないなんておもいますねえ、、、、。

大学時代の卒論のテーマが刑法にかかわるものだった自分としてはなかなか興味深い話ですねえ、、。

常守朱というメンタルお化け

上述のような世界にあって、常守朱は公安局刑事課一係へ新任監視官として配属されます。

そもそも彼女は学生時代にシビュラの職業適性診断で、あらゆる官公庁の職業にトップレベルの適性を示したんですね。

つまり、彼女は「いろんな場所に行けたのにわざわざストレスが多そうな監視官」になろうとしたってわけ。

で、その理由は500人の同期生の中で自分だけが公安局監視官の適性がA判定を出したことで、「自分にしかできない生き方」を求めて監視官の職業を選択したというもの。

なんかこれだけ見ると、自分の意思がなくストレス耐性がない人のように思えますが、実際には「強靭すぎるほどのストレス耐性」をもっています。

何を隠そう彼女、アニメの第二期(第3期ではほぼ登場しないため割愛)までかなりの精神崩壊クラスの逆境にあっても即座に立ち直ってきたんですね。

もちろん、犯罪係数も上がらないし上がってもすぐ元に戻るのですよ、、、。

その一つ一つがもはやPTSDものといってもいいような事案です。

では、第2期終了時までの常守監視官のメンブレ事案を振り返ってみたいと思います。

第一期

自分の親友が免罪体質者(犯罪係数が測れない特殊体質の200万人に一人の人間)である槙島聖護に殺害されるのを見ているだけしかできなかった。

直後には落ち込むものの、すぐにメンタルが回復する

第一期の後半に彼女はシビュラシステムの正体が、免罪体質者達等の脳とスーパーコンピューターによる並列分散処理の組み合わせであったとの事実を知り動揺する。

現行社会の幸福を維持するために、シビュラ自体の正当性よりシビュラの必要性を認め受け入れた。

第二期

・自分の祖母が事件捜査中に殺害される。

動揺するも比較的短期間に回復する

はい、どうでしょうか?

なんか、かなりヤバい事案が並んでいる気がしませんかね?

特にシビュラの正体を知ったなんてのは最悪ですよ。

これまで社会正義を実現させるために存在していたであろうシビュラがまさか犯罪者達の脳によって駆動していたなんてね、、、いやあ、、、社会に対する不信感がすごいことになりますよねえ、、、。

こんなこと聞いたら、犯罪係数凄いことになるわ、、、。

ちなみに、常守朱は免罪体質者ではないでしょうね。

なんせ、祖母を殺害したのは自分であるとカミングアウトした東金朔夜を目の前にして、常守朱の犯罪係数は一時的に48,5~80へ上昇しているからね。

常守朱はレジリエンスが半端ない

では、なぜこうも常守朱の色相はにごらない、また犯罪係数は増えていかないのでしょうか?

※色相はサイコパスの表層的なバロメーターであり、生体反応の計測値を色として視覚化したもの。ストレス過多、悲観的思考により濁る。

ここからは主に臨床心理学的な観点からの考察になります。

まず、取り上げたいのが彼女のレジリエンス能力の高さです。

レジリエンスとはストレス等の外的刺激に対する柔軟性のこと。

これが高いとストレスからの影響を軽減できるんですねえ。

彼女の場合、もともとの遺伝的な要因のおかげで不安を感じにくいとの可能性は否定できないものの、レジリエンスの高い人に見られる特徴を多数有しているんです。

例えば、それは以下のような特徴です。

  • 現実的楽観主義者である
  • 恐怖と立ち向かう
  • 倫理的基準をもつ(あくまで人を信じるのがこれかも)
  • 社会的なつながりをもつ(基本コミュ力高い気がするね)
  • 生涯学習を続ける(劇中での活躍を見る限り学びを怠らない努力家だと思う)
  • ストレスに対する対処法を沢山持っている(実際、気分転換がうまい)
  • 運動習慣がある
  • 意味感をもっている(これ特に重要)

特に意味感は重要です。

PTSDを乗り越えることをPTSGといいますが、彼女の場合は上述のトラウマもののシーンにおいて強い意味感をもって対峙していると思われます。

このレジリエンスは現代人には必須のものでしょうね。

レジリエンスについて詳しくはこちら。

参考記事等

常守朱は矛盾を受け入れたうえで前進する

さて、そもそもですが犯罪係数とはどうやって測定されるものなのでしょうか?

一応、その基準に「人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測」などが挙げられていますが、そもそも「シビュラの信用を脅かすものやシビュラにとって都合の悪いもの」は社会存立の危機をもたらすので、排除対象になるのではないでしょうか?

事実、もともと監視官だった狡噛慎也や宜野座伸元はシビュラへの不信感を募らせて犯罪係数が増えて執行官に降格した感もあるしね、、、。

※執行官は厚生省公安局で実質的な捜査を行う刑事であり、潜在犯がなる職業。

ま、それに所詮シビュラの頭脳はまんま免罪体質者たちの脳だからね。

自己保全を優先しても何ら不思議はないでしょう。

なので、自分たちに対して反抗的な感情を持つものの犯罪係数は上昇するはずですね。

でも、常守朱は第二期終盤までシビュラへの不信感が増大するような数々の場面に出くわしながらも犯罪系数が上昇しません。

さて、なぜなのか?

その理由は、彼女のこの言葉に集約されているといえます。

法が人を守るんじゃない。人が法を守るんです。』

この発言はシビュラの正当性はともかくもシビュラが今の社会における治安の維持には必要であるとの認識を持っての言葉です。

この言葉からは強い意味感と倫理的基準が見て取れます。

自分の中の正義と矛盾する存在であるシビュラの存在を生理的に嫌悪しつつも、その必要性を容認するという態度に彼女の強メンタルの真価が発揮が垣間見えるんですねえ。

このように自分のネガティブ感情を自覚しつつもそれに流されない際に大事なのが、脱フュージョンでありアクセプタンスです。

フュージョンは「私が、いま、ここで」考え続けることと対応しており、言ってみれば思考と自分が一体化して視野が狭くなっている状態です。

脱フュージョンとは「あの時、わたしが、あそこで」考えたという視点から自分の思考をみるということなんですね。

ま、雑な言い方をすると「自分の思考を客観的な立場から見る」ということ。

きっと、彼女はこのスキルが非常に高いのでしょうね。

脱フュージョンについて詳しくは以下からどうぞ。

参考記事等

また、このように脱フュージョンができるようになると、アクセプタンス、つまり「自分の不快な感情や思考をそのままにしておくこと」ができるようになります。

これこそまさに「シビュラに生理的嫌悪感を覚えつつも必要性を認める」という態度に他なりません。

だから、彼女はメンタル崩壊しないし犯罪係数も上がらないのでしょう。

もっとも、シビュラの利害と合致していたからってのは大きいとはおもうけどね、、、。

この社会も多くの欺瞞と矛盾に満ちている。それでも、、、

はい、「サイコパス」の世界に負けず劣らず、現代社会にも直視するには不快すぎる社会の暗部や理不尽、多くの疑念や欺瞞で満ち満ちています。

しかし、それでも常守朱のように脱フュージョンのスキルを高めれば、絶望することなく希望をもって人生を歩めるのかもしれません。

彼女の姿勢は多くの人の参考になるんじゃないかと思うんですね。

もちろん、わたしも例外ではありません。

結構、「うーん、タフだなあ」とうなりながら見てました。

そして、同時に改めて心のありようだけで解決できる問題ばかりではないけど、少なくとも「心が安定していないなら妥当な判断は下せないな」と再確認しましたとさ。

サイコパスってスルメみたいな作品だね。

噛むほどに味が出る、見るたびになんか発見があるっていう。

おわりに

この記事では「サイコパスシリーズのヒロイン常守朱は脱フュージョンしているからメンタルブレイクしないんじゃないか?」と題しておおくりしました。

アニメサイコパスはそこまでアニメにのめりこまないわたしでさえ、思わずワクワクしてしまうようなアニメでした。

醸し出す緊張感といい理不尽な感じもとても現実的で、うすら寒い予定調和なファンタジーとは一線を画す作品ですね。

ええ、とても面白くスリリング!

そして、何より常守朱の社会の是とする正義と自分の正義との葛藤をうけいれ、なおも強く前進する姿勢は現代人すべてにとってかなり参考になると思います。

上述のような考察をふまえつつ、またアニメを見直してみるとまた違った楽しみ方ができるかもしれないですねえ。

それに勇気をもらえるかも、、、。

アニメ「サイコパス」はいいっすね!

ユ―ネクストだと31日無料で視聴できるので、この機会にサイコパスを見て常守監視官の活躍を再確認して見てみましょう。

ビバサイコパス!

では!

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