「最近、友達に勧められて自己啓発セミナーに行くようになった。結構、いろんなセミナーに行ったし相当な金額を使ったなあ、、、、、今思えば、、、。で、毎回どのセミナー言っても大体言われる定番のセリフがあるんだよね。そう、ポジィティブ思考が大事だと毎回のように言われる。やはり、ポジティブにならないと物事ってうまくいかないんだろうな。私はネガティブだからまだまだポジティブさが足らないんだな、、、。」
いんや、むしろそれは逆では?
無理にポジィティブになってもいいことないよ?
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「無理にポジィブになろうとすると危険だよ」という話です。
以前も当ブログで若干取り上げた内容でありますが、根っからポジィブな人は別として無理にポジィティブになろうとすると、益どころか害のほうが多い可能性があります。
あなたがネガティブ思考をしやすい人であったとしても、その性格は活かし方次第なのです。
無理なポジィティブ思考にはご用心!
詳しくはこちら。
さて、無理なポジィティブ思考の危険性を詳しく見ていきましょう。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
ポジティブ中毒の恐怖
自己啓発セミナー等ではポジティブ思考の重要性がよくとかれます。
なので、自己啓発セミナーによく行く人はポジティブ思考でいることにとらわれすぎてしまうきらいがあります。
ポジティブ依存とか中毒とかって言い方もできるでしょう。
ポジティブに考えすぎると期待値が上がりすぎてしまい、いざ失敗したときにそのギャップに耐えられなくなってしったりします。
また、ポジティブに考えすぎるとネガティブ要素についての配慮がなくなってしまうので、失敗への備えがお留守になりますね。
元々ポジティブである場合はともかくも、元がネガティブであるのにポジティブになろうとすると、ポジティブであればうまくいくという考えに執着し、うまくいかなければいかなくなるほど無理にポジティブに考えてしまい失敗の泥沼にはまってしまいます。
これが無理にポジティブになることの恐怖です。
ポジティブに考えすぎると、、、、
無理にポジティブになろうとするとおこる悲劇についてはいろんな示唆があります。
その一つが「自身の就職や給料に悪影響がある」というもの。
2002年ニューヨーク大学のガブリエレ=エッティンゲン博士による研究がこれを示唆しています。
参考
Gabriele Oettingen, et al. The Motivating Function of Thinking About the Future:Expectations Versus Fantasies (2002)
この実験では83人の学生を対象に卒業してから、どんな仕事に就くか、どんなキャリアを進んでいくの妥当かということをイメージしてもらったといいます。
上記学生たちを2年間追跡調査した結果、卒業時点においてポジティブなキャリアイメージをしていた学生ほど、現実には給料が低く企業からの求人も少なかったそうです。
このようなポジティブ依存の弊害はほかの分野にも見られます。
例えば、恋愛や勉強、病気やケガでもそうです。
ポジティブ依存だと恋愛であればモテないし、大学の成績であれば振るわないし、病気やけがであれば直りが悪いなんてことがおこったりします。
この原因はポジティブ依存が失敗時の精神的衝撃を大きくするとともに、計画性や努力、慎重さ等の要素の欠如を生み出すからだといいます。
ポジティブすぎるとどうすればうまくいくかを考えたり努力もしないし、事態が悪化したらどうするかにすら備えません。
まあ、状況が悪化するのは火を見るより明らかといえます。
目標に達成にも悪影響
ポジティブ依存になってしまうと自分にとって都合の悪い情報から目を背ける傾向が強まってしまい事前に備えるということがなくなります。
その結果、あらゆることがうまくいかないって話になってきます。
この点は元からポジティブな人も傾向としては同じようなものですが、決定的に違うのは「リスクを恐れない」という点です。
恐れないように心がけておそれなくなったというより、「もともと恐れたりしない傾向が高い性格」ということです。
言い方を悪くすると、「リスクや失敗したときの精神的衝撃に鈍感」なんです。
このような人は失敗しても気にすることなく、すぐに再起してまた行動をし始めます。
もし、ネガティブな人の場合失敗したときにメンタルが相当滅入るのでそうそうこういどうできないわけです。
まして、普段からポジティブ依存になっていたら、失敗の衝撃は普段目を背けている分何倍にもなるでしょう。
元々ネガティブな人は再起不能になってもおかしくないんです。
特に日本人は遺伝的に不安を感じやすい人がほとんどともいわれているので、無理にポジティブになろうとするのは危険といえるでしょう。
実は、目標達成についてもポジティブになろうとするといい結末にならないということが示唆されていますね。
これは2011年のガブリエレ博士の研究により示されたもの。
参考
Gabriele Oettingen, et al. Positive fantasies about idealized futures sap energy. (2011)
この研究では学生を以下の2グループに分け、一週間後に学生達を再調査しその週の目標を達することができたか否かを調べています。
- 最高の週末をイメージしたグループ
- 普通の週末をイメージしたグループ
再調査の結果、最高の週末をイメージしたグループは自分の設定した目標を達成できていなかったそうです。
その理由としては、週末の楽しいことを想像して自分がまるでもう目標を達して、最高の週末を楽しんでいるような気分になってしまっていたからです。
それが目標達成のモチベーションを劇的に弱める結果になったといえます。
ポジティブ依存になってしまうと、実際に目標を達成する前に「もう達成してしまった気になる」という恐ろしいことが起こるんですよ。
このような観点から考えると、「成功した自分をイメージして頑張る」というのはかなり本末転倒といえます。
だって、「成功した自分」を想像するだけで成功した気になって満足してしまうんですから。
まあ、、、絶対に成功するのに必要な努力はできないでしょう、、、。
まああれです。
想像もほどほどにしようね、って話ですね、、、、。
4、ネガティブな人ほど事前の対策を!
元がネガティブであるとの自覚があるのなら、無理にポジティブになる必要はありません。
大事なことは「ネガティブなことを受け入れるということ」です。
現代の心理学では、恐怖から目をそらすほど余計に恐怖が増すなんて言われています。
また、新世代の認知行動療法であるアクセプタンス&コミットメントセラピーにおいてもっとも精神に害のある行動として「体験の回避」があるとされています。
つまり、ネガティブを回避しようとすればするほど、少しでも不安の兆候が見えただけで精神が崩壊しかねない事態になります。
避けようとするのではなく、「受け入れること」が肝要といえます。
そう、不安を受け入れたうえで、その不安に対して事前に対策を講じておけばいいのです。
それに落ち込んでいるときほど、分析力は向上しているものですから、不安になった時こそ備えましょう!
不安から目を背けるのは愚策ですよ。
参考
あとは、自分自身について理解を深めるため、自己省察をしてみるのもいいかもしれません。
自己省察については、最近話題になっている「insight」という本を参考にしてみてもいいでしょう。
おわりに
この記事では「無理にポジィブになろうとすると危険だよ」と述べました。
根がネガティブな人がとるべきスタンスは無理にポジティブになることではなく、自分の現状を正しく受け入れることです。
そのうえで、事前に不安要素に対しての対策を立てておきましょう。
事前の備えこそが大事なのです。
ネガティブとポジティブのどちらかがいいのではなく、大事なのはその性格の使い方であると覚えておいてください。
間違っても、「自分はポジティブじゃないから、、、」なんて自己否定をしないでくださいね。
では!