世の中には一定数「自分から進んで不幸になりたがる人」というのがいます。なぜ、そんな事を思うのか不思議ですよね?
自分から進んで不幸になりたがる人の心理は以下の通り。
ぱっと見ではよくわからないと思うので、今回はこれらの心理について詳しく掘り下げてみたいと思います。
また、不幸になりたがる人が不幸から脱する方法や不幸になりが足る人との接し方などについても合わせてみていきたいと思う次第。
本記事を不幸になりたがる人との接し方や自分が不幸になりたがらないための対策を獲得するための参考にしてみてください。
目次
不幸になりたい人の4つの心理!
不幸になりたいと思う人の心理としては。大体以下の5つが想定できます。
- 不幸になりたい人の心理①:アッパーリミットが低い
- 不幸になりたい人の心理②:不幸にアイデンティティーを見出している
- 不幸になりたい人の心理③:ある種のマゾヒズム
- 不幸になりたい人の心理④:歪んだ承認欲求
では、以下順次補足です。
不幸になりたい人の心理①:アッパーリミットが低い
不幸になりたいと思う人の中にはアッパーリミット、つまり耐えられる幸せの上限が非常に低い人がいるものです。
アッパーリミットが低いと、幸せになることが怖くなり幸せになれそうな状況を自ら放棄したり破壊したりしてしまいます。例えば、以下のような状況がアッパーリミットが低い事によって生じる弊害の具体例です。
- 結婚式前に突然幸せになることが怖くなり婚約破棄する
- せっかく意中の人に振り向いてもらえたのに幸せになることが怖くて振ってしまう
- せっかく努力の末つかんだ仕事のチャンスを自分から放棄する
アッパーリミットの低さの原因は、幼少期の家庭環境などに求められることが多いです。
アッパーリミットについて詳しくは以下の参照。
不幸になりたい人の心理②:不幸にアイデンティティーを見出している
不幸になりたいと思っている人の中には、自分が不幸であることをアイデンティティーとしている人がいます。
この心理の原因にはいろんなものが想定できるのですが、一番わかりやすいのは「努力しても報われない」とあきらめたというものでしょう。
つまり、「自分は頑張っても幸せに離れない。不幸がお似合いだ」と思ってしまっているわけです。
実際、苦しい家庭環境や労働環境、その他いろいろな苦境から脱するために努力をするのはかなり骨が折れるもの。
あきらめて不幸でいるのが自分らしくていいと思ってしまえば、もう脱するために現状以上のストレスを感じることはありません。
不幸の沼は、ある意味ぬるま湯の様に居心地がいいものなのです。
不幸になりたい人の心理③:ある種のマゾヒズム
世の中には、ある種のマゾヒズムを抱えている人がいて、わざわざ自分に不利な方向へと進んで行動をとるといいます。
これは以前まで臨床的には自己敗北性パーソナリティー障害と言われていたものであり、原因に関してはよくわかっていないようです。
自己敗北性パーソナリティー障害の具体的な行動は、かつての『精神障害の診断・統計マニュアル』(DSM)に記されています。それが以下です。
1.もっとよい選択が明らかにある時でさえ、失望、失敗、または冷遇を味わう人物や状況を選ぶ(例、恋人や友人の嫌な点を人に指摘させ、あたかも自分の意見ではないような顔をする人物)
2.他者が自分を助けようとするのを拒絶、または効果がないようにする
3.自分個人に良いできごと(例、新しい成功)の後、抑うつ、罪責感、または苦痛を生じるような行動(例、事故)で反応する
4.他者に、怒り、または拒絶的反応を起こさせて、傷つき、打ち負かされ、辱められたと感じる(例、人前で配偶者をからかい、怒って言い返された後、がっくりする)
5.楽しみの機会を拒絶し、または楽しいという表現をすることが好きでない(十分な社会的技能も、楽しむ余裕も、あるにもかかわらず)
6.自分個人の対象としての重要な仕事が、その能力がはっきり示されているにもかかわらず、完成できない(例、仲間の学生に論文を書く手助けをするが、自分のものは書けない)
7.いつも自分によくしてくれる人達に興味がないか拒絶する(例、異性の相手の世話が好きでない)
8.期待される見返りのためではなく、過度の自己犠牲に没頭する
引用:自己敗北性パーソナリティー障害
最後の、項目「期待される見返りのためではなく、過度の自己犠牲に没頭する」に関しては、このパーソナリティー障害をよく表すものと言えます。
もはや、本人にとっては「自己犠牲によって生じる苦痛それ自体が見返り(報酬)」となっているといえますね。
不幸になりたい人の心理④:歪んだ承認欲求
不幸になりたいと思う人の中には、人の気を引きたいがためにわざと不幸を欲するという人がいます。
これは具体的に言うなら、不幸になると他人が優しくしてくれたり気遣ってくれるから不幸になろうとするという話です。
このような心理に陥る理由には色々なものが想定されますが、具体的には以下のような負の成功体験があることが多い印象。
- 厳しい親が風やケガ、いじめなどにあったときなどだけは優しかった
- 対人関係において、可哀そうな人と認知された時に自分の意見が格段に通りやすくなった
- つらい過去等を吐露することによって、自分が他者から注目を浴びその時の快感が癖になった
いずれも、負の成功体験によって歪んだ承認欲求が肥大化した事例と言っていいでしょう。
人はそもそも不幸になりたいと思うものである!
ここまで、不幸になりたいと思う人の心理について色々とみてきましたが、わたしはそもそも人は不幸になりたがる存在であると思っています。
というのも、この世界の根底にはエントロピー増大の法則というものがあり、秩序だった状態はかならず乱雑なカオス状態に向かうとされているから。
人の精神状態や生理機能等が正常に働き各細胞が秩序だって生命機能を維持している事自体が、もそも不安定な異常事態と言ってもいい事なのです。
私たちの体は本来エントロピーの法則にのっとるなら、バラバラに四散し微細な原子の混沌とした渦に帰すはず。
そうした事が起こらないのは、ひとえに人の生命維持機能が正常に働てバラバラにしようとする外力に対抗しているからです。
つまり、心身のどちらかが不健康になってそうした維持機能が適切に働かなくなれば、病み不幸を願い死を願うようになっても何もおかしくないという事。
人の破滅願望や不幸を望む姿勢も大元としての原因は、エントロピーの法則に行き着くんじゃないかと思っている今日この頃です。
なので、不幸になりたいと思っていること自体は、特別責める事ではないんじゃないかというのが持論です。
不幸になりたいと思う事を回避する4つの処方箋
次に、不幸になりたいと思う事を回避する4つの方法を提示していきたいと思います。
不幸になりたいと思う事を回避する方法は以下の通り。
- 不幸になりたいを回避する処方箋①:悩みを放っておける思考を作る
- 不幸になりたいを回避する処方箋②:自分に幸せになることを許す
- 不幸になりたいを回避する処方箋③:本能を活性化する
- 不幸になりたいを回避する処方箋④:ゆがんだ認知を正す
以下、順次補足です。
不幸になりたいを回避する処方箋①:悩みを放っておける思考を作る
不幸の泥沼にハマらないためには、まず大前提として「悩みにとらわれたに思考」を作っておく必要があります。
悩みがある事を自覚しつつも今やるべき別の事に意識を向けて生活できるようになると、自分が不幸だとか不幸でないといった思考と関係なく自分のすべきことに集中できるようになり、その行動が将来の発展を後押しするでしょう。
このような悩みがあっても放っておく思考を育成するには、各種マインドフルネスが有効です。
まずは、一日5分のマインドフルネス瞑想あたりからはじめて見るといいでしょう。
マインドフル瞑想のやり方については以下の記事からどうぞ。
不幸になりたいを回避する処方箋②:自分に幸せになることを許す
先ほども言った通り、アッパーリミットの低い人は幸せになることを恐れ自ら幸せになる選択を回避する傾向にあります。
アッパーリミットの低い人は、自分に幸せになることを許可してあげましょう。
アッパーリミットが低い人は、「自分は幸せになる資格がない」等と思っていますが、本来誰にも生まれながらに誰にでも幸せになる権利はあるのでこんなのはただの思い込みなんですよね。
アッパーリミットを上げていくためには、自尊心を上げればいいのですが、そのアプローチは多岐にわたります。
まずは、自分の長所や短所を自分でしっかり自覚したり、過去や現在の成功体験に目を向けたりといった行動から始めるといいでしょう。
不幸になりたいを回避する処方箋③:本能を活性化する
先ほども言った通り、人間の心身はエントロピーの法則にあらがってその秩序を維持しています。
この維持機能は、心身が健康に働いていればこそ発揮されるものなので心身を健康にする、もっというと「本能を活性化する事」が重要になるんです。
そのためには、具体的には以下のような行動が有効でしょう。
- 運動習慣をつける(ウォーキング推奨)
- 十分な睡眠をとる(7時間以上推奨)
- 栄養バランスの取れた食生活を送る(野菜不足、タンパク質不足には注意)
どれもこれも当たり前すぎて、「いちいち書くまでもないだろ」と思った方も多いと思います。
しかし、こういった当たり前を継続できることが心身を健康に保つ(さらに言えばアンチエイジングも)の一番の秘訣です。意外とできていない事もあるはずなので改めて気を付けてみてください。
・不幸になりたいを回避する処方箋④:視点の数を増やす
不幸になりたいと考えがちな人は、視野が狭まっている可能性がありまる。そのため、もっと自分を客観的にみていろんな視点を獲得していくといいかもしれません。
色んな支店を獲得する方法には様々なものがありますが、まずは自分の意見に対して一旦あえて「もし、反論するとしたら?」と反対意見を考えてみるのがいいでしょう。
あえて自分とは逆の立場からの意見を想定する事で、一つ見方が増えますね。
そして、それが普通にできるようになってきたら今度は自分の考えに対して「なぜ?」を徹底的にぶつける練習するのもおすすめです。
視点が増えると、少し自分の考えの狭さを自覚して思考が柔軟になるかもしれません。それが不幸の沼から脱するきっかけを与えてくれるかも。
不幸になりたいと思う人との3つの接し方
友人や知人に不幸になりたいと思っている人がいて、接し方について頭を悩ましている人は結構いるものです。
そこで、不幸になりたいと思っている人との接し方について提示すると以下の通り。
- 不幸になりたい人との接し方①:自他の感情の切り分け
- 不幸になりたい人との接し方②:まともに話し相手をしない
- 不幸になりたい人との接し方③:距離を置く
以下、順次補足です。
・不幸になりたい人との接し方①:自他の感情の切り分け
不幸になりたいと思っている人は、往々にしてネガティブ感情を振りまいているので、関わる側もそのネガティブ感情の悪影響を受けてしまうものです。
そのため、「この感情は相手のもの、自分の感情とは関係ない」等と自他の感情を切り分ける事が重要になります。
そのような、自他の感情の切り分けに有効なのは個人的に日頃の瞑想習慣や脱フュージョンなどの習慣づけなどによる意識のコントロールでしょう。
瞑想と脱フュージョンの詳しいやり方等については以下の記事を参照くだされ。
参考
不幸になりたい人との接し方②:まともに話し相手をしない
不幸になりたい人は、先ほども言ったようにネガティブな発言が多いもの。
それ自体はしょうがないとしても、自分から不幸になりたがっているため、基本的に何をポジティブになるためのアドバイスしても聞く耳を持ちません。
そのため、基本的に接する方としては相手が変わる気になるまでは待ちの姿勢を維持することになります。
やはり、人は痛い目にあって自分から変わりたいと思わない事には、どうにもならないのでこれはしょうがありません。
そのため、不幸になりたいと思っている人の愚痴や相談事といったものはどこか流すように「ふーん」と思って聞くスタンスが大事かと思います。
本当に助けないとまずいタイミング以外は手出しをしないのが最善でしょう。
不幸になりたい人との接し方③:距離を置く
不幸になりたいと思っている友人や知人と接しているとどうしてもネガティブな影響を受けてしんどいという場合は、いっそ縁を切らないまでも距離を置くのがおすすめです。
全ての人間関係に言える事ですが、基本的に合わないと思ったときに無理に親密に付き合うことはないのです。
苦手な人とは極力関わり合いにならない様距離を置くのがおよそ最善と言えます。
ただ、「縁を切る」のはお勧めしません。というのも、自分も相手も人生経験を経て今後いくらでも変わる可能性があるし、安易に合わないからと人間関係を切る癖がつくと孤立するリスクが大きいからです。
例え、現時点であまり自分が相性が良くないと思う人であっても、後々よき友となる可能性もゼロではないので疎遠にしておくくらいにしましょう。
不幸になりたいと思うより不幸を減らす方向へ進もう!
今回は不幸になりたいと思う人の心理について考えてみました。
自分から不幸になりたいと思って不幸に突っ走る人は一定数いるものですが、やはり生きている以上幸せになった方がいいので不幸になりたいと思っている人はまずは健康状態を整えるなどの基礎的な事から始めてみるといいと思います。
そして、接する側として彼ら彼女らが自発的に変わりたいと意思を表明したタイミングで何か手を貸してあげればいいでしょう。まあ、難しいですよね、、、こういうことは。