「最近、心理学について色々興味わいてきたからいろいろ調べているんだけど、認知行動療法って一体何?なんかかなり効果が高いって言われているけどさ。どんな心理療法なの??」
ふむ、認知行動療法って確かによく聞くけど、どんなものかよくわからんよね。
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「認知行動療法って何だろうか?その発展と変遷の歴史を少し概観してみよう。」という話です。
今回は以下のような方に向けておおくりします。
- 認知行動療法ってどんなものか知りたい人
- 認知行動療法の歴史を簡単に概観してみたい人
さて、認知行動療法って聞いたことあるでしょうか?
、、、まあ、聞いたことあるからこの記事見てるんだよね、多分。
認知行動療法は現在多くのカウンセラーが用いるものであり、医療現場でもよく使われているといいます。
そして現在、認知行動療法は非常に研究が盛んな分野であり、その効果についてはそれを裏付ける研究がたくさん存在しているんですね。
また、その効果については投薬治療と同等くらいの治療効果があるなんて話もあったりします。
この記事はキャリアカレッジジャパン上級心理カウンセラー講座テキスト「認知療法・認知行動療法」、熊野宏照さん著「新世代の認知行動療法」等を参考としています。
では、ゆるりとおおくりします。
目次
認知行動療法ってなんぞ?
認知行動療法は1950年代にアメリカでうつ病患者のために作られ、1980年代から世界的に広がった行動療法を軸とした心理療法です。
その治療効果は抗うつ薬と同程度またはそれ以上であるといい、現在その適応範囲はうつ病やパニック障害、強迫性障害等と非常に幅が広いとのこと。
行動療法では行動を変化させることにより思考パターンを変化させて、ネガティブな感情を変化させていくものです。
認知行動療法はこの行動療法の手法に認知的内容の変更を加えており、認知と行動に働きかけることによって感情・生理反応に効果をもたらそうとします。
認知行動療法の歴史的変遷を概観してみよう
実は、「認知行動療法」という言葉が意味する内容は多様なんですね。
現在、認知行動療法がかかわる分野は沢山あり例えば以下のようなものがあります。
- 行動療法
- 認知療法
- 臨床行動分析
さらにそれぞれの分野において「認知行動療法」という用語の使われ方自体が歴史的に変遷してきているといいます。
そして、認知行動療法の歴史的変遷としては、第一、第二、第三世代の3つがあります。
以下、それぞれを簡単に見ていきましょうか。
第一世代
第一世代はパブロフの条件反射学説・学習理論を基盤とした行動療法です。
第一世代が主流であった頃の学習理論は、多くの動物実験等より定式化されたレスポンデント学習とオペラント学習が主な対象であって、そこにモデリング学習が加わったものでした。
この第一世代の行動療法には大人の気分障害や不安障害、摂食障害などの「心の問題」を抱えているクライエントには適応できる範囲が少ないという弱点がありました。
第二世代
時は流れ、第一世代の行動療法に認知も含めて行動を操作しようとする流れが起きてきます。
これが第二世代です。
具体的に言うなら、認知療法をはじめとする「実証的な研究に基づく」認知的な介入技法の急速な普及を背景として、これまでの流れに認知に焦点を当てたアプローチが加わるようになってきたってわけです。
認知療法サイドは情報処理理論に基づき認知的技法以外にもさまざまな行動的技法と取り入れその体系化をはかり、同時に行動療法サイドも学習理論の限界をみとめて認知に焦点を当てることの重要性を自認するようになります。
このような流れを背景として、認知行動療法は大きく発展することになりました。
認知の問題を実証的に扱えるようになったことで、臨床場面で扱える対象は広がり実際の臨床活動と理論とのギャップの問題も解消されたといいます。
その結果として、情動や外顕的問題についてはレスポンデント技法やオペラント技法が用いられ、認知の問題にはセルフモニタリング法や認知再構成法を中心とする認知的技法が用いられるようになったんですね。
※外顕的:外から(見て)わかる状態であること。
第三世代
第二世代で認知行動療法は大いなる発展を遂げました。
とはいえ、問題がなかったわけではないんです。
その問題点というのが、「行動療法と認知療法における統一的な理論の欠如」でした。
そして、この統一的な理論の欠如により様々な問題が生じていくことになります。
第三世代はこのような課題に対処するべく考えられたものといえますね。
第三世代の特徴を一言で言い表すならば、「マインドフルネスとアクセプタンスの導入」です。
第三世代の認知行動療法ってどんな感じ?
第三世代の認知行動療法の特徴は上述の通り、「マインドフルネスとアクセプタンスの導入」です。
この2つの要素を導入したことで、認知行動療法はアクセプタンス&コミットメントセラピー創始者のS・C・ヘイズさんにならうと以下のような特徴を持つに至ります。
- 第一水準(主訴そのもの)の変化だけではなく、第二水準(文脈こみ)の変化を目標とする
- より文脈的な前提を採用する
- 従来の直接的な変容方略に加え、より体験的で間接的な方略を採用する
- 変化の焦点を広くとる
※文脈とは背景要因(広義の内的・外的環境)といった前面には出てこないが物事に影響を与える要因のこと。
熊野宏照著「新世代の認知行動療法」p、28より引用
そして、第三世代の認知行動療法に属するものには以下のような心理療法があるといいます。
・マインドフルネスストレス低減法(略称MBSR)
- メタ認知療法
- 行動活性化療法
- 弁証法的行動療法
- アクセプタンス&コミットメントセラピー
アクセプタンス&コミットメントセラピーやマインドフルネス、アクセプタンスについて詳しくは以下の記事を参照。
参考記事等
おわりに
この記事は「認知行動療法って何だろうか?その発展と変遷の歴史を少し概観してみよう。」と題しておおくりしました。
認知行動療法とは行動療法を軸としてそこに認知に関する実証的なアプローチを加えた心理療法です
そして、その発展の歴史から第一~第三世代までに区分でき、その概略は下図のとおり。
世代 | 何を基盤とするか |
第一世代 | 学習理論 |
第二世代 | 学習理論+情報処理理論 |
第三世代 | 第二世代の基盤にマインドフルネスとアクセプタンスを付加 |
こうやって、心理療法の変遷の歴史をみるとこれからの課題も見えてきたりします。
やはり、歴史を知るのは大事ですな。
では!
参考
http://www.kawata-cl.jp/mentalcare/html/information.cgi?id=1367856041
http://www.sakuma-clinic.net/shinryo/mindfullness.html
キャリアカレッジジャパン上級心理カウンセラー講座テキスト「認知療法・認知行動療法」
熊野宏照著「新世代の認知行動
参考記事等