「最近、多様性多様性ってみんな社会で大合唱しているけど実際どうなんだろうなって思うんだよな。多様性って確かに大事だと思うんだけど、自分としては正直多様性は行き過ぎると収拾がつかなくなると思うんだわ。どっかで多様性なんて断ち切って一極集中した方がいいと思う。何でもかんでもありじゃいろんなことが進まなくてめんどくさくね?正直、おれは何が多様性だよって思うわ。まどろっこしいんじゃ。」
まあ、気持ちはわからんではない。
確かに人の話を聞いてばかりじゃなんにも進まねえっていうのも確かだよなあ。
でも、少数派の意見を「うるうせえ、貴様らの小言なんか聞いてられるか!」なんて切り捨てるのもどうかとおもうんだよねえ、、、。
あー、むっず!
オニギリス!
脱マンネリストのオニギリです!
今回もよろしゅう!!
今回の話題は「問題解決に多様性は大事?それともそんなもの不要?「協調的問題解決」」という話です。
今回は以下のような方に向けておおくりします。
- 多様性の必要性について考えてみたい人
- 協調的問題解決について知りたい人
最近ではすっかり多様性という言葉が普通に使われるようになってきました。
そして、社会にも多様性をもっと尊重しようとの動きも出てきています。
その多様性を尊重、つまりいろんな意見を参考にしながら問題解決をしくためのスキルが今回とりあげる「協調的問題解決」です。
ぜひとも、仕事や家庭での問題解決にこのスキルを応用してみてはどうでしょうか?
では、ゆるりとおおくりします。
目次
協調的問題解決ってなあに?
協調的問題解決とは文字通り「協調的な問題解決スキル」です。
問題解決や情報の分析に際して、一人だけで考えてもいい解決策が思い浮かばないということはよくありますね。
そんな時にいろんな人の意見を聞いて参考にしたり、多様な技能を持った人の助けを得ることでよりよい解決策が出来上がったりするものです。
つまり、協調的問題解決とは「多様性を尊重し、その多様性を活かして問題を解決するスキルである」といえるでしょう。
そして、その協調的問題解決は以下5つの要素からなっているといいます。
- 集団内の他の人の意見を理解できる力
- 建設的な方法によってメンバーの知識や経験、技能が豊かになるよう貢献するよう、集団のメンバーの一人として参加できる力
- どうやって貢献すればいいかや貢献が必要かどうかを認識する力
- 問題解決のための手続きや構造を見出す力(例:この問題の論点は~だ。だから、こういった手順でやれば解
- 決できるみたいな感じ)
- 協調的な集団のメンバーとして新たな知識や理解を積み上げたり作り上げていく力
協調的問題解決の具体的な取り組み方
協調的問題解決の方法としてよく例に挙げられるのがジグソー法です。
ジグソー法とは1978年にアロンソンさんという方が開発した学習法であり、現在多くの教育機関で採用されているものなんですね。
※ただし、後述するが現在日本の教育現場で主流となっているのはアロンソンオリジナルのジグソー法ではなく、そこに修正を加えたものである。
この学習方法は以下の2種類のグループを作って行われます。
- ホームグループ(ジグソーグループ)
- エキスパートグループ
※ジグソーグループは人種、性別、成績等の面で多様だといい。というのも、ジグソー法は生徒同士の関わり合いの促進や人種の融合を目的として開発されたから。
なお、ジグソー法を行う目的は上記「ジグソーグループの資料の読解理解」とされています。
ジグソー法では皆が同じ資料を読み込むのではなくそれぞれのメンバーが異なった部分を読んで、それをグループで総合することによって各自学習を進めていくんですね。
例えばですが、ある人物の人生について学ぶ場合を想定してみましょうか。
その人物の幼少期、青年期、壮年期等といった年代ごとの資料が用意され各自に配布され、それをジグソーグループが分担して読み込むって感じですね。
オリジナルのジグソー法について詳しく知りたい人は以下を参考にしてみてください。
ただ、現在の日本ではアロンソンさんのジグソー法をベースにCOREF(大学発教育支援コンソーシアム事業)が独自に開発した「知識構成型ジグソー法」という手法が主流です。
その目的はオリジナルのジグソー法が「人種の融合や生徒同士の関わり合いの促進」であったのに対して、「生徒間の関わり合いを通じて一人一人が学びを深める」というものに変化しています。
で、その知識構成型ジグソー法の進行方法は以下のようになっています。
- ステップ0:問いの設定
- ステップ1:自分の知っていることの意識化
- ステップ2:グループを作って理解を深める
- ステップ3:意見を交換し統合する
- ステップ4:他者の意見に耳を傾けつつ全体発表
- ステップ5:一人に戻って向き合う
以下順次解説しマウス。
・ステップ0:問いの設定
教師がその単元における「問い(要は課題)」を設定。
この際、問は既知の知識や3つか4つの知識の組み合わせで解けるものにしその問いを解くのに必要な資料は知識のパートごとに準備しておく。
・ステップ1:自分の知っていることの意識化
まずは「問い」に対して一人で今現在思いつく限りの答えを書いておく。
・ステップ2:グループを作って理解を深める
同じ資料を読みあるグループを作ってその資料に書かれた内容や意味を話し合うことで理解を深める。
※この活動をエキスパート活動という
・ステップ3:意見を交換し統合する
ステップ3では違う資料を読み込んだ人が一人ずつ新しいグループに組み替えられて上述のステップ2の活動で分かった内容について説明し合う。
この活動によってまたさらに理解が深まる。
・ステップ4:他者の意見に耳を傾けつつ全体発表
答えが出たらその根拠も含めてクラスで発表する。
他者の意見に耳を傾けつつ、自分たちも全体発表という形で答えを表現し直す。
・ステップ5:一人に戻って向き合う
最後に、初めに設定された問いに再び一人で向き合って答えを記述する。
たとえば、小学校の時の道徳の授業を思い出してほしいのですが、あれはまさに教師からの一方的な「~ときは~すべき」みたいな知識の伝達ではなく生徒間や生徒と教師とのフィードバック等を経て様々な視点を知るものであったと思います。
あれこそまさに「知能構成型ジグソー法」といえるでしょう。
知識構成型ジグソー法についてより詳細に知りたい方は以下を参照。
参考
協調的問題解決で大事な事
さて、ここまで協調的問題解決について見てきましたが、多様性を重視する風潮と実にマッチしたスキルではないかと思います。
一人で問題を解決しようとするよりも多くの視点や知見、知識、技能を活用できるので、問題に上手く対処できる可能性は高いでしょう。
ただ、その際に注意すべきことというも存在している模様。
それが「良い対話をする」ということ。
例えば、「遠山・白水,2017」によると協調的問題解決学習における「良い対話」の主たる特徴には以下のようなものがあるといいます。
- 特徴A:自分の考えを述べる
- 特徴B:疑問を発する
- 特徴C:批判をする
- 特徴D:話者が交代しながら互いの考えを述べ合う
- 特徴E:発言を遠慮しない
- 特徴F:答えを急ぐ発信がない
引用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/24/4/24_494/_pdf/-char/ja
まあ、当たり前といえば当たり前ですが、人と人とのコミュニケーションがうまくいかないと「協調して問題を解決することはできない」ってことですな。
このような良い対話の特徴は日々の生活の中でも応用できるでしょう。
そして、余談ではありますが協調的問題解決は手間も労力もすごくかかりますよね。
参加する構成員のみながある程度の納得は得られますが、答えに至るまでの過程は非常に複雑で時間がかかるものです。
なので、緊急事態にあって物事をすぐに決定しないといけないって時には少し使い勝手を考えないといけないでしょうな。
ま、教育現場では多様性を重視してこのような問題解決学習をすべきでしょうけども、実際の社会において適用するとなると、、、、うーんって感じですね、、、。
ま、多様性を重んじる社会の宿命って感じですな。
おわりに
この記事は「問題解決に多様性は大事?それともそんなもの不要?「協調的問題解決」」と題しておおくりしました。
今回とりあげた協調的問題解決は「多くの人の視点や知見、技能等を上手に活用して問題を上手に解決するスキル」です。
この協調的問題解決というスキルは今現在のように多様性が重視される社会においては非常に重要なものといえます。
このスキルをはぐくむために、今現在教育現場にて知能構成型ジグソー学習が採用されているのです。
この知識構成型ジグソー学習の考え方は育児等日常の中でもかなり応用できるかと思うので、是非とも参考にしてみてくださいな。
では!
参考
https://www.manabinoba.com/edu_watch/21776.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/24/4/24_494/_pdf/-char/ja
file:///C:/Users/arcan/Downloads/KJ00009790019.pdf